木地師の里、君ヶ畑から奥に御池岳の西麓を通る御池林道という道がある。何度か途中まで入って御池岳に登ったことがあるが、道はずっと奥まで続いている。昔の地図では御池川の奥で途切れていたが、いつの頃からか峠を越えて向こう側の道と繋がったようである。それで何時か走ってみようと思っていたが、今回古稀記念サイクリングとして、7月21日に走ってきた。
永源寺近くに駐車して出発。快晴である。今日は暑いぞ。走り始めは調子が出ない。永源寺ダムまでの登りがきつく感じる。ダムまで上がると後は楽である。
永源寺の集落 | 永源寺ダム |
ダムをすぎて八風街道を辿ると政所(まんどころ)。なかなか由緒ありげな名前である。確か大学時代の恩師の奥様がここの出身だと聞いたことがある。もう80歳を越えておられるから、子供時代はどんな山奥の村だったことか。
政所の御池川 | 政所 |
少し入ると蛭谷。ここは木地師の故郷として日本中の木地師の元締めの役所があったらしい。更に入ると君ヶ畑。ここが御池川最奥の集落だ。ここも木地師の元締めの村だ。何度も来たことがあるので素通りする。集落の外れに新しい立派な建物がある。ノエビアの研究所と書いてある。化粧品の会社がこんなところで何をしているのかな?
蛭谷(筒井八幡宮) | 蛭谷(筒井八幡宮) | 君ヶ畑集落 |
ここから川沿いに気持ちのよい道(実は相当に苦しい)が約10キロ、標高750mの峠まで続く。途中、ノタノ坂から御池岳への登山口がある。ここまでは何度か冬に車で来て御池岳に登ったことがある。ここから坂がだんだん急になってくる。汗が流れ眼に入る。見上げると御池岳の稜線が見える。やっと峠に到着。峠を越えると霜ヶ原まで550mの大下り。
御池川 | 御池川 | 御池岳稜線 |
峠 | うしろは鈴が岳か? | 下りの山間 |
これで最初の目的は果たしたのだが、ちょっと物足りないので犬上川(北谷)を遡り大君ヶ畑(おじがはた)から権現谷林道に入り五僧に抜ける。コンクリート舗装がされているが滑り止めの細かい溝が入っているので細いタイヤでは乗り心地がきわめて悪い。五僧は近江と伊勢を結ぶ峠の集落で、林道からは少し上がったところにある。40年ほど前、最初に訪れたときはまだ人が住んでいた。その後何度か訪れているが、そのとき以降は人の姿を見ない。
権現谷林道 | 五僧の山間 | 霊山を望む |
五僧から山の上の廃村集落、保月、杉へと辿る。むかし、関ヶ原の合戦で敗走した島津軍もこの道を辿ったのであろう。杉坂峠から栗栖まで400mのヘアピンカーブが続く大下り。
保月集落 | 保月集落 |
杉集落 | 杉集落 |
多賀大社に到着。ちょっとお参りして駐車地まで帰りだすが、死ぬほど暑い。これは堪らん。山の中に入ってもう一本、峠を越そう。
犬上川(南谷)沿いに上流に向かう。大滝神社の境内で少し昼寝して元気を取り戻す。犬上ダム湖畔は木陰で平らな道が続く。
途中の蕎麦畑 | 大滝神社の淵 | 犬上ダム |
角井峠までなだらかで大した登りではないのだが、相当にヘタレていて苦しい。途中の大萩は廃村ながら綺麗に手入れされていて気持ちのよいところだ。泉もあり、テントでも張って一日ノンビリするのに最適だ。角井峠を下れば近江平野に出る。あとは永源寺まで平らな道を走るだけだ。
犬上川上流 | 大萩集落 | 近江平野 |
永源寺入り口 | 眼鏡の托鉢僧 | 永源寺山門 |
結局、出発してから10時間もかかってしまった。やはり古稀という歳を実感したサイクリングでした。
104キロ、獲得高度1800m。
走行地図(ルートラボ)