この前、大峰弥山に大山蓮華の花を見に行ったのはいつだっただろう? ここ数年は行った記憶がない。久しぶりに見に行こう。
 7月8日(月)早朝、出発して、樫原、上市を通り、伯母峰トンネルを越えるとすぐ行者還トンネルへの登り口だ。トンネル西口の登山口に8時過ぎに到着。平日だがもう二十台以上の車が駐まっている。
 すぐに稜線の奥駆道までの急登が始まる。まだ朝だがもう暑い。そもそも梅雨時に登る山ではない。雨か、さもなくば暑いだけである。しかしこの時期にしか大山蓮華は咲かないのだからこればかりはやむをえない。一時間弱、汗びっしょりになって奥駆道に出る。風が通って汗が引いて行く。
 聖宝の宿跡までは樹林帯の中のなだらかな尾根道で気持ちがいい。有毒であるため鹿の食害を免れたバイケイソウが花盛りだ。聖宝の宿跡から弥山山頂まで300m程の登りだ。この登りの途中にも以前は大山蓮華が咲いていたのだが、今はもう見られないようだ。
 3時間ほどで弥山頂上。一息入れて、八経ヶ岳に向かう。大山蓮華保護の柵を越えると下草がギッシリと生えている。柵の外側には草がほとんど生えていない。この差を見ると鹿の食害がいかにひどいかがよく判る。
 やがて大山蓮華の白い花が現れる。まだつぼみも多い。アレッ、木が小さくなったんじゃないかな? 気のせいか花も小ぶりになったような。花蕊も貧弱な気がする。今でも純白の可憐さは変わらないが。何時、誰が名付けたのか、別名を天女花というらしい。
 最初に大山蓮華の花を見たのはもう二十年も前だったろうか。柵などはなく、自由に森を散策して花を尋ねることができた。谷筋には見上げるような大山蓮華があり、花を一杯に付けてそれは華麗であった。それが何時の頃からか鹿の食害が目立つようになり、一時は大山蓮華が全く見られなくなった。その後、保護の柵が設置され、その中でだけ大山蓮華が生育している。
 上部の柵のゲートを抜けると八経ヶ岳頂上である。今日は時節柄湿度が高く、たいした展望はない。ここで引き返すのはちょっと歩き足りないので明星ヶ岳から狼平への周回コースをとる。明星ヶ岳頂上で昼食。明星ヶ岳にもオオヤマレンゲ自生地(天然記念物)の古い石碑があるのでここにも自生していたようである。柵で囲われた中に大山蓮華の花がポツリポツリと見られるのでだんだん回復してきているようである。
 ここから高崎横手まで頂仙岳へと続く尾根を下る。なだらかで静かな道だ。高崎横手で狼平へ下る道をとりしばらく下ると狼平の小屋に出る。あまりゆっくりしている時間はない。弥山へと登り返す。この一帯にも柵で囲まれた部分があり、オオヤマレンゲ保護地域となっているが、柵の中へは入れないようだ。
 弥山頂上、3時。慌てて下山。5時半登山口に戻る。
 帰りは西側に下り、下市経由で帰宅する。

     
バイケイソウ  登り道の青空  弥山小屋付近の苔
     
 オオヤマレンゲ(1)  オオヤマレンゲ(2) オオヤマレンゲ(3) 
     
明星ヶ岳から見た八経ヶ岳   明星ヶ岳からの下り  オオカミ平