八ヶ岳縦走(2013/08/01 -05)
林の中の石人 | ハクサンシャクナゲ | 青年小屋と権現岳 | クルマユリ |
ゴゼンタチバナ | ウスユキソウ | タカネバラ | ミヤママンネングサ |
タイツリオウギ | ? | 権現岳 | 赤岳(右)と阿弥陀岳 |
編笠山を振り返る | 長い梯子 | コマクサの群落 | コマクサ |
キレット小屋黎明 | 遙かに富士山を望む | 林の中のキレット小屋 | 白いコマクサ |
権現岳を振り返る | 岩の登り | キンロバイ? | 尾根の登り |
イワギキョウ | 駱駝さん | 赤岳山頂 | 阿弥陀岳 |
阿弥陀岳山頂 | 阿弥陀より赤岳を望む | 横岳付近の縦走路 | 硫黄岳山荘 |
8月3日(土) 朝、雲海の上の日の出。今日も快晴だ。出発して硫黄岳頂上に向かう。
広々とした山頂からの眺望は最高だ。通ってきた権現、赤、阿弥陀、横岳、これから向かう蓼科山までの八ヶ岳連峰、南、中央、北アルプスから頸城山塊まで綺麗に見える。北の方に見えるのは日光辺りかな? 残念ながら富士山は赤岳の後で見えない。
少し進むと、硫黄岳の荒々しい火口壁が姿を見せる。その下に去年泊まった本沢温泉の小屋が見える。前面には夏沢峠の小屋が青々とした針葉樹林の木の間に見えている。本当はコマクサ荘に泊まってヤマネやモモンガの姿を見たかったのだが、硫黄岳からの展望が素晴らしかったのでよしとしよう。
夏沢峠、根石岳、天狗岳となだらかな山稜を行く。天狗岳から黒百合平へ雲ノ平に似た美しい−−−を下ってゆく。黒百合ヒュッテ。草原は防護柵に囲まれた小さなもので、黒百合は2週間前に終わってしまったとのこと。今は見るべきものは何もない。小屋の前で硫黄岳山荘で作ってもらった弁当を食べる。山小屋の弁当にしてはなかなか豪華だ。
中山峠から枯木と若木の混じる樹林帯を抜けると中山に着く。展望台から見ると正面の丸山のなだらかな山腹に幾条かの縞枯れ模様が見える。中山から高見石まではなだらかな長い下り道だが、滑りやすい石がゴロゴロしていて片眼には辛い道だ。一、二度滑って転ぶ。
高見石の上に立つと眼下に白駒池が神秘的な姿を見せている。この池をパスするわけにはいかない。池の方へ下ってゆく。池畔に立つと何というほどのものでもないのだが、折角だからと池の周りを回って駐車場から今日の泊まりの麦草ヒュッテへと旧街道を辿る。途中の緑の灌木帯が印象的だ。
麦草ヒュッテ。麦草峠の車道沿いにあるためか、立派な小屋だ。客の半分はドライブ途中の客のようだ。
雲海上の日の出 | 硫黄岳 | 赤岳、阿弥陀岳を振り返る | 硫黄岳山頂 |
硫黄岳火口壁 | 夏沢峠と天狗岳 | 硫黄岳を振り返る | 縞枯の樹林 |
根石山荘と西天狗岳 | 山上の蒼天 | 天狗の奥庭 | トウヤクリンドウ |
黒百合平 | シュロソウ | カラマツソウ | 丸山山腹の縞枯れ |
中山から高見石への道 | 高見石から眺める白駒池 | 茶臼山から蓼科山 | 白駒池 |
麦草峠付近 | 麦草ヒュッテ | キバナオダマキ | トリアシショウマ |
8月4日(日) ヒュッテ3階の窓から見える日の出が美しい。今日も快晴だ。ゆっくりとした朝食のあと、ノンビリと出発する。
第一のピークは茶臼山。展望台に立つが、縞枯山の由来の縞枯れは昔写真で見たように著明な状態ではない。いずれ縞枯れは無くなってしまうのではないだろうか。
縞枯山から雨池峠に着く。本来ならばここから雨池山、三ヶ岳と忠実に稜線を辿るべきだろうが、どうもここは岩だらけで難所らしい。それと坪庭の景色も見てみたいので、縞枯山荘前からロープウェイ駅に向かう。
ロープウェイ駅から坪庭経由で北横岳へ登る。ここは今年の冬に通った道だが、冬景色の方がよかったか。これで稜線を辿らなかった悔いが残った。
北横岳山頂は簡単に登れる山だけあって、大変な賑わいである。素通りして大岳に向かう。道はとたんに悪くなり、人はほとんど見えない。木の間より北横岳ヒュッテとその下の七ッ池がきれいに見える。双子池へ下る道との分岐点から大岳へピストンする。ペンキのマークを探しながら大きな岩を乗り越して大岳に到る。名前負けしている小さなピークではあるが、万緑の中に唯一人立ったようで、清々しい気分になる。通り損ねた三ヶ岳がすぐそこに見える。どうも三ヶ岳、北横岳、大岳は円形のカルデラの縁に並ぶピークのようだ。一周するのも面白いかも。
双子池までの下りもなかなかの難路だが、天狗の露地辺りは素晴らしい緑の中の道だ。
双子池。登山者がちらほら、ノンビリした気分になれる。二つの池のあいだの双子池ヒュッテに泊まってみたいが、少し時間が早すぎる。次の大河原ヒュッテまで足を伸ばそう。双子山山頂まではなだらかで楽な登りだ。広々とした山頂で電話を掛けるが出ない。今日は閉めているのかな? やむを得ず一つ先の蓼科山荘を予約する。大河原峠に着いてみると上から見えた立派な建物は山小屋ではなく、その横の小さな傷んだ小屋がヒュッテだ。これは宿泊するにはちょっと躊躇する。ここから蓼科山荘までは300mの登り、頑張って一時間少々で到着する。小屋に到着したとたん、突然の夕立。あと10分も遅れるとびしょ濡れになるところだった。雨のあと、木々の上にきれいな虹が出た。
森の中の小さな小屋に今日は私一人の宿泊だ。
麦草峠黎明 | ヤナギラン | 茶臼山 | 茶臼山からの南八ヶ岳 |
縞枯山の縞枯れ | バイケイソウ | 雨池峠 | 坪庭からの縞枯山 |
七ッ池と北横岳ヒュッテ | 大岳 | 大岳から見た三ッ岳 | 天狗の露地 |
天狗の露地の道 | 双子池が見えた | 大河原峠 | 蓼科山荘 |
8月5日(月) ついに晴れ男の運も尽きて、小雨模様の中雨具を付けての出発。30分ほど石ころで歩きにくい道を辿ると蓼科山頂上に着く。深い霧に包まれている。三角点から神社に行こうとするが変な方向に迷い込む。GPSが無いとちょっと恐いところだ。
小雨の中、滑りやすい石ころだらけの道をそろりそろりと下る。片眼になってから最も苦手とする道だ。ストックをプローブとして遠近感の不正確さを補正しなければならない。この冬に来たときは、雪ですっかり平らになっていたので下りはずっと楽だったのに。
やっと下りきって、女神茶屋の前に出る。バスの時刻表を見るとしばらくバスは無いようだ。信玄棒道を蓼科へ下ろうか。それより最後のピーク八子ヶ峰を通って白樺湖へ下ろう。
道路の反対側をちょこちょこと登ると八子ヶ峰ヒュッテに出る。きれいな小屋だが人影は無い。開いていればお茶の一杯でも飲みたい気分だが。
雨がすっかりやんで、青空が見えてきた。道は草原の中、ほとんど上り下りも無く八子ヶ峰まで続いている。路傍の花が美しい。
八子ヶ峰を過ぎたあたりで道を間違えた。道の状態がいい東急トレッキングコースというのに入り込んでしまった。大分進んでから気がついたので、引き返す気にはならない。まあどこかへは下山できるだろう。静かな樹林帯の中のなだらかな下り道だ。快適に歩ける。これはこれで楽しい歩きだ。
トレッキングコースが終わりホテルの前に出る。フロントで尋ねると時々間違って下ってくる人がいるそうだ。ここから下ると白樺湖ではなく蓼科だとのこと。帰る前に温泉に入るつもりだから、蓼科の方が正解だったかも。タクシーを呼んで、この冬にも入った小斎の湯へ行き、今回の山旅はおしまい。