東因幡林道(鳥取県若桜)2015.07

 四月に沖ノ山林道を走り、五月には兵庫県の妙見山・蘇武岳・三川山林道を走ったが、地図を見ているとこの間に兵庫県と鳥取県の県境、氷ノ山から扇の山へ連なる山稜に林道がある。東因幡林道、約15kmのダートである。よし、次はこれを走ろう。
 6月、兵庫県美方町村岡の公園に車を止めて車中泊。早朝、矢田川沿いにR482を鳥取県境に向かって上り出す。天候は曇りだが、何とか雨は免れそう。しばらく走るとR482 は小谷を上って行き止まりになり、峠への川沿いの道は町道となる。ネットで検索するとこの辺りからダートとなっているが、幸いずっと舗装されていそうだ。
 突然、崖の崩落に出くわす。あまり古くはなさそうだが、林が斜面をずり落ちてきたようで、道が林で塞がれたようになっている。自転車を担いで何とか越えられないかと、潜り込んでみるがとても無理。下手すると谷底まで滑落する。ということで今回は断念する。残念。

   
矢田川沿いの集落  崩落地点 


 
 リベンジしなくちゃと、7月に今度は鳥取県側から挑戦する。若桜町中之島公園で車中泊。周りには数台、鮎釣りの人たちが泊まり込んでいる。
 今日は快晴。早朝、R482を兵庫県境に向かって上り出す。こちら側は峠近くに氷ノ山スキー場などの施設があるため二車線の立派な道路だ。結構急な登りを息を切らせながら上って行く。茗荷谷、舂米(つくよね)などの集落を経て、氷ノ山スキー場に出る。ここの直下に舂米の棚田があるが、残念ながら全貌を見渡せない。ここまで上ってくるとあとはなだらかな道を走って峠に着く。途中に元伊勢への旧街道の標識がある。ここから伊勢までは遠すぎるので、この辺りの人々は福知山近くの元伊勢へお参りしたのだろう。若桜の町から峠まで800m上って標高1000m、風が涼しい。この峠の名前は何というのだろうか?

   
R482 左は旧道  茗荷谷集落 
   
舂米   舂米の棚田
   
元伊勢参道   峠の標識
   
 兵庫県側 鳥取県側を見る 


 峠は兵庫県に下る道と東因幡林道の三叉路となっているが、どちらも通行止めとなっている。東因幡林道へ入らせてもらう。ダートは石ころが多く走りにくいところも多いが、ありがたいことに上り下りがほとんど無く楽に走れる。見晴らしはさほどよくないが、ところどころにブナの林もある。熊が恐いのでハンドルに鈴を付けて走る。
 北へ15kmほど走ると、扇ノ山林道に合流する。この林道もダートであるが、路面はずっとよくなる。

   
 東因幡林道入り口 林道 
   
 ブナ林  林道中間点辺り
   
林道   ヤマボウシ
   
 林道終点  扇の山林道


 少し走ると地図では広留野高原に下る道がある。これを下るつもりだったが入り口は笹に覆われていてほとんど廃道だ。あきらめて次の八東ふるさとの森に下る道をとる。ふるさとの森からは二車線の道となり快調に走る。やがてR29に出て若桜へと帰る。途中、若桜鉄道の車両が走っているのに出会う。ここはトロッコ列車も走っているそうだ。
 若桜の町に入り、「弁天娘」の酒屋があったので一本買って後ろに縛り付ける。昨夜夕食で飲んでなかなか旨かった。若桜は小さな町だが狭い通りの土蔵群が古い歴史を語っている。

   
R29と若桜鉄道  八東川 
   
「弁天娘」造り酒屋  若桜駅 
   
 土蔵群  



 少し走り足りないので、車で岩屋堂の駐車場まで移動して、加地川沿いの林道を上ってくらますの乗越しを越え吉川川を下って岩谷堂に帰る25km程のミニ周回コースを走る。加地川沿いの林道は4月の沖ノ山林道を走ったとき迷って下ったコースだ。前回は焦っていたので写真を撮っていなかった。
 R29から林道に入ると暫くはなだらかな登り道を走るが、山に入るといくつかヘアピンがある急登になる。前回の記憶では素晴らしい渓谷美だと感じたがそれほどのこともないか。急登の途中で下ってきた車に呼び止められて道を聞かれる。こんなところで停めるなよ。この坂ではもう漕ぎ出せない。平らな所まで少し押す。 
 途中、若い女の子が一人、淵でルアーを投げている。ここだとイワナかな? あまり釣れそうな所ではない。
 急登を登り切ると源流地帯で道もなだらかになる。前回間違った三叉路に出る。ここを左にとると大通峠を経て兵庫県の三室高原に下る。最後の上りを漕ぎ上がるとくらますの乗越しに出る。標高は丁度1000m、700mの登りだった。静かで気持ちのよい峠だ。古い峠道には地蔵さんが立っている。安永三年(1774)とあるから、250年前にたてられたものだが新しいもののように見える。ここからは下り、気持ちよく下る。途中、吉川の集落。こんな山中にあるとは思えないほどの大きな集落だ。

   
 加地川 加地川 
   
ルアーを投げる女性釣り師  加地川 
   
加地川源流   雲の中の三室山
   
峠  峠の地蔵 
   
 タケニグサの花 吉川集落 


 岩屋堂まで下り、国重要文化財の岩屋堂にお参りして今回のサイクリングはおしまい。 駐車場のとなりの畑に見たことのない作物が植えられている。雑草のようにも見えるが、ひょっとすると麻をとる苧麻(からむし)かな?

   
岩屋堂 苧麻(からむし)かな? 


東因幡林道 http://yahoo.jp/5kvECB

加地川周回 http://yahoo.jp/GH9FRy