大杉谷 (2015.08)

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大台ヶ原から大杉谷へ下る  堂倉滝  隠滝  光滝
       
 崩壊地  岩のヘツリ道  七ツ釜滝 桃の木小屋 
       
平等ー  吊り橋   ニコニコ滝 シシ淵 
       
シシ淵とニコニコ滝   千尋滝 エメラルド色の淵  イワタバコ 
       
大日ーの下の淵  大杉登山口   隠滝(50年前) 岩壁の桟道(50年前) 
 大台ヶ原を源流とする宮川は源流部を大杉谷と称し、日本屈指の渓谷美を誇る。
 2004年の台風で宮川流域は大きな水害を受け、大杉谷も以来10年にわたって通行止めとなっていたが、昨年、ようやく再開通された。
 私もここが大好きで、支流の沢歩きを含めると10回以上入渓している。最初は1962年だから、もう50年以上前になる。当時の道は写真に見られるように、
貧弱な吊り橋や桟道が大部分だった。現在岩を削って作られている道は怖い桟道で、通行に今の倍は時間がかかったと思う。 対向者があるとだいぶ手前で
通り過ぎるのを待っていなければならなかった。

 さて、今回久しぶりに大杉谷を訪れた。25年ぶりであろうか。
 9:00発の大和上市発のバスに乗り込んで、大台ヶ原。大台ヶ原でのんびりしている余裕はない。霧雨の中、日出が岳山頂へと急ぐ。正午、山頂。昼飯も
そこそこに大杉谷へと下り出す。霧の立ちこめるシャクナゲ坂を下ってゆくが、老齢の身には下り坂が膝にこたえる。下るにつれて天候は回復してくるが、暑さ
が酷くなり汗がダラダラと流れる。3時間かかってようやく堂倉滝に降り立つ。約900mの下りだった。いつ見ても美しい滝だ。この滝の上部も滝と淵が続く、綺麗
な沢だったが水害の後はどうなったのだろう。アメゴも多かった。
 ガイドマップではここから桃の木小屋までは2時間足らずだが、だいぶ足腰にきているので予定通りに行けるかどうか。トロトロと歩き出す。隠滝、光滝を過ぎ
ると、一番最後まで不通だった崩壊地に出る。今はゴロゴロした岩を縫って道が付けられている。やがて最大の美瀑、七つ釜滝の上部に出る。ここからは岩壁
に彫り込まれた道を下って滝の下部に出る滝の下部に出る。昔はここが一番怖い桟道だった。その後、長い吊り橋が架かっていた時期もあったが、また元の
所に道が戻った。
 少しルートを間違ったりして、3時間以上かかって暗くなる前にようやく小屋に転がり込んだ。足がひどい筋肉痛だ。一風呂浴びて夕食。ビールで喉の渇きを
癒やす。

 6時、朝食。早々に出発する。エスパール交通のバスは予約制で、12:10、登山口を出発する。コースタイムは5時間。足を痛めているので一寸心配だ。
平等ー、シシ淵、千尋滝とひたすらに急ぐ。今日も暑い。涼しさを感じさせる風はあるのだが、サッと汗が引く気持ちよさがなくダラダラと汗が流れる。きっと、
湿度が高いのだろう。この辺りまで下ってくると標高は300mちょっと位になっている。暑いはずだ。
 11時、大日ーが見えてきた。もう20分もかからない。ここらでちょっと一休み。河原の木陰で横になる。風がよく通る。同じバスを予約している老人3人組が
通り過ぎてゆく。12時、大杉谷登山口到着。結局、この日程で大台ヶ原から大杉谷を下ったのは四人だけだったようだ。昔はもっと登山者が多かったように思
うが、登山に車を使うようになったこの頃は、登り口と下山場所が異なる縦走などの登山形態が好まれなくなってきたのだろうか。

この次は、紅葉の季節に反対ルートで登ってみよう。その方が楽かも。