能登半島サイクリング
(2016.05.12〜15)

5/12 快晴。金沢駅を昼前に出発し、市街地の広い道路を北西に走り海岸を目指す。日本海、のどかで美しい海だ。海岸ではモーターハングライダーが飛び立った。楽しそう。海岸沿いに能登里山海道という自動車専用道が走っているが、その横にサイクリングロードが付いている。これでノンビリと羽咋市を目指す。アカシア、ハマダイコンが花盛り。ハマナスの花も目に飛び込んでくる。

   
   
   

 やがて、羽咋市街に入る。ここでサイクリングロードと別れて、R249に入る。少し走ると気多大社の鳥居が見えてくる。能登国の一宮で旧国幣大社だ。お参りしなくちゃ。アレッ、入場料を取られた。神社では珍しい。重文の楼門、拝殿は堂々としているが、屋根の痛みがひどい。宮司の後継者問題で噂のある神社だけに手入れが十分でないようだ。神社の裏には鬱蒼とした入らずの森が拡がる。由緒のある神社だけに大事に守ってもらいたいものだ。
 志賀町に入り、スーパーで食料と酒を仕入れて、街中の広大な公園の木陰にテントを張らせてもらう。気持ちのよいところだ。

   

 第一日目走行図


5/13 今日も快晴だ。漁船の並ぶ川を抜けて県道36を走る。旧道を走ってみると、路傍に相撲取りの碑が集落ごとに立っている。この辺りは昔は相撲が盛んだったようだ。
   

 志賀原発の前を通る。現在は運転を中止しているようだ。
 いよいよ、能登金剛の巌門の景色が見えてくる。海岸まで下ってみる。豪快ではあるが、私個人の趣味としては、海の景色はどうも山岳ほどには感銘を受けない。

   
   

 富来(とぎ)の漁港を過ぎてのどかな田舎道を走る。笹波という集落に出ると記念物藤懸神社社叢ケヤキ林という看板が出ている。ちょっと寄って行こう。たいしたことなし、写真は省略。戻るとすぐに大笹波水田という棚田に出る。展望台からの景色は広々として気持ちがいい。夕方ならここにテントを張らしてもらいたい。

   
 

 暫く走ると、第二の能登金剛、ヤセの断崖に出る。松本清張「ゼロの焦点」の映画の舞台となった所らしい。断崖のスケールとしては、アイルランド西海岸に比べるとちょっと小さいかな。少し遊歩道を歩いて義経の船隠しを見る。これは素晴らしい。カヤックで入ってみたい所だ。それにしても水が透明で青い色の美しいこと。日本海も水は綺麗なんだ。
 輪島市門前町に入り、路はR249と再び合流する。黒島。ここは北前船の町で、国の重要伝統的建造物群保存地区だ。黒い瓦屋根が日に映えて美しい町並みだ。角海家は公開されているが残念ながら見ている余裕はない。

   
   

 すぐに、総持寺祖院に出る。この寺があるからこの辺りは門前町なんだ。総持寺は曹洞宗の大寺院だが、明治時代に火災で焼失し寺は神奈川に移転した。その後、再建されたのがこの祖院だ。素通りもなんだから拝観して行こう。中に入って驚いた、大工事中だ。なんでも、2007年の能登半島地震で大被害を受けたとのこと。

   

 最初の計画ではここから山道に入り猿山灯台の近くを抜ける予定であったが、体力的に自信が無い。それで次善の策として、R249から別れて県道38で山越えして海岸沿いに輪島市街に入ろう。峠まで150mちょっとと大した登りではない。下りに入ると、男女滝(なめたき)の優美な姿が現れる。下りきって海岸沿いの路になると厳しいアップダウンが続く。これは結構苦しい。
 大沢町、間垣が町の海岸側に連なって美しい。朝ドラ「まれ」のロケ地とのこと。坂を登って振り返ると小さな集落である。さらに輪島市街まで上り下りが続く。シシウド?の白い花が斜面一面に咲いている。

   
   
   

 輪島市街。時間が無い。今回は素通りだ。観光は将来、女房を連れてゆっくりとしよう。先を急ぐ。
 白米の千枚田。これはなかなか見事である。この辺り、集落ごとに小さな塩田が見られる。当に「まれ」で田中泯が桶でサッと塩水をまいていたやつだ。
 曽々木、時国家のある集落だがこれもパス。ここの食料品店で食料と酒を仕入れる。これから先にはあまり店も期待できそうにもないし、そろそろ適当なキャンプサイトを探さなければならないが、まあ、この先R249と別れて県道28に入ってからにしよう。トンネルの所に旧道がある。ちょっとこちらを通ってみよう。手堀のトンネルだ。昔はこの辺り最果ての地だったことを思わせるに十分な景観だ。上り坂、これを今日最後の登りにしよう。もう登らないぞ。峠を少し下ると道路脇に広い駐車場がありその傍の芝生にテントを張る。夜中車がうるさいかも知れないが先が読めない。

   
   

 爆睡

第二日目走行図


5/14 今日も晴れ。昨夜泊まったのは木の浦というところ。坂を下り暫く走ると狼煙集落。朝早く人影はない。禄剛崎の灯台へ上がってみる。ここが能登半島最先端のようだ。地図で見ると半島の最北でも最東でもない。最北東というところだ。もう昨日の終わり頃から、能登半島最先端の珠洲市に入っている。
 少し行くと金剛崎へ入る道がある。ランプの宿、葭ヶ浦温泉で有名な岬だ。ちょっと寄って行こう。朝早くて人影はないが、宿のすぐ上には広大な駐車場があり入場料を取る観光施設が出来ている。なんだ、ランプの宿といっても電気は来てるんだ。けばい展望台やら観光船やらが出るようで、なにやら興ざめなところだった。
 ここからいよいよ半島を東に廻り込む。須須神社。由緒ありげな社だ。長い鬱蒼とした社叢に包まれた参道を辿ると神社に着く。立派な社殿の主はニニギの命、天孫降臨の神様だ。この辺り広い砂浜の穏やかな海が続いている。

   
   

 この先、景色は単調となりあまり書くことがない。ひたすら走るのみである。
 見附島。珪藻土のような脆そうな岩で出来た島だ。
 でっかい建物が見えてきた。珠洲曳山の収納倉だ。中を覗いてみると大きな山車の一部が見える。年に一度引き出されるようだが神社の祭礼ではないらしい。
 恋路駅。以前はのと鉄道能登線の駅だったが、廃線となり以後地元の酒造会社がトロッコ鉄道を走らせているらしい。
 船屋。これはどこだったかな。この辺りにも丹後半島と似たようなものがあるんだ。
 今度は走行中ののと鉄道七尾線の列車。七尾から穴水の間を走っている。
 海岸沿いのR249。テトラポッドの横を走っている。ひたすら走るのみだ。
 退屈なので能登島へ渡ってみる。あまり大した変わりはないか。
 和倉温泉に到着。今夜は温泉に入りたいが、土曜日だしこの時間から温泉旅館には入れないだろう。ビジネスホテルに飛び込む。ブラブラ温泉街を歩いて外湯「総湯」へ。いい湯だな。
 湯から出て、近くの料理屋へ。能登の魚の造りとホタルイカの沖漬けなど。酒は地酒の「宗玄」で気持ちよく酔っ払う。

   
   
   
   

第三日目走行図


5/15 今日はどこへ帰ろうか。氷見の漁港も見たいので高岡へ出ることにする。
 和倉から七尾に出て、R160に入り峠を越えて海岸に出ると、ひたすら南下する。富山県の標識が出てくる。能越国境だ。これを越えると氷見市だ。
 小境海水浴場で大休止。浜の草むらに寝転ぶ。まわりは小さなお花畑だ。ニワゼキショウ、ピンクのマンテマ、黄色いコメツブツメクサ、そしてコバンソウ。しかしこれって、みんな帰化植物だよ。どういう訳なんだ。

   
   
   

 氷見漁港に到着。家内はブリは氷見でなくっちゃと盲信しているので、どんなところかちょっと興味があった。それに今年は氷見のブリが大不漁で例年の五分の一しか取れなかった原因はなにか知りたかった。漁港内の展示館に入る。
 まず、氷見のブリはほとんど全て定置網で獲る。氷見市内で数十個定置網があるとのこと。今年の不良の原因は多分いろんな理由でブリが湾内に入ってこなかったからだろうとのこと。多分来年は期待できるでしょう。定置網は年中漁ができ、今は鰯が一杯獲れているとのこと。

   


 さて、あとは高岡までひとっ走りするのみ。市内に入ってちょっとウロウロしたが昼前に高岡駅に到着。今日は日曜日なので夕方になると特急サンダーバードが混雑する恐れがあるので、午後早めに帰らなくては。

第四日目走行図