北アルプス縦走 -黒部周回- (2008.09

五色ヶ原

薬師岳

薬師岳東南稜

リンドウ

槍・穂高(黒部五郎より)

チングルマ

朝日に光るチングルマ

ダイモンジソウ

ミヤマアケボノソウ

ヒョウタンボク

鷲羽池と槍ヶ岳

水晶岳からの眺め

東沢乗越の地蔵

野口五郎岳

烏帽子小屋近くの池

烏帽子岳

船窪・七倉の縦走路

マツムシソウ

蓮華岳紅葉

剣岳夕景


前期高齢者となった記念にと計画したのですが、7,8月と身内の不幸が重なり9月にずれ込んでしまいました。


9/7
 立山室堂を出発。一の越を経て五色ヶ原。小雨が降ったり止んだりの天気。ブラブラ歩きの5時間で五色ヶ原山荘着。五色ヶ原は花の季節は終わり寂しい限りである。本日の宿泊者8名。

 

9/8 小屋の食事は6時からなので、弁当二つ作ってもらい5時小雨の中出発。今日中に薬師岳を越えられるかどうかで、今回の山行の目途がたつ。一応の目安として11時までにスゴの小屋に着けば先に行くことにする。
 越中沢岳からスゴの間少し道が悪いが、幸い10時少し前に小屋に到着。これで先に進める。この辺りから天気も回復して、青空が現れる。以後、最終日の前日まで素晴らしい快晴が続く。700mを登って北薬師に着くも、薬師岳まで大分あるのにガックリしたが、2時山頂着。快晴の山頂からの眺めを楽しみ、愛知大学生さんの冥福を祈って、3時半薬師岳山荘着。宿泊者7,8名。

 

9/9 5時半出発。今日の目標は三俣。太郎平まで意外に時間がかかる。すぐ下に小屋が見えているのに。北の俣岳周辺の夏の名残の花やリンドウの花の中素晴らしい景観を楽しみながらノンビリと歩く。
 1時間ほどの急登が終わると、黒部五郎岳。槍から穂高の稜線がきれいに見える。豊かに水の流れるカールの中の道を辿って黒部五郎小舎へ2時に到着。この場所は20年ほど前、九郎右衛門谷を上ったとき以来である。正面の三俣蓮華の登りを見て急にやる気が失せた。山に囲まれた草原の中の新しい小屋。熊谷榧(?)の看板も気に入った。午後の穏やかな一時をビールを飲みながら同宿者と歓談する。この日の宿泊者は2組のツアーを含んで40名はど。ツアー客は賑やかである。

 

9/10 5時半出発。三俣まで同宿者と同行する。途中、ミヤマアケボノソウ、大文字草、ハクサンイチゲなどが咲いている。ヒョウタンボクの実をちょっと舐めてみる。甘い。三俣で雲ノ平に下る同行者と別れて、鷲羽岳に登る。またまた素晴らしい景観。次いで水晶岳の頂上に立つ。またまたまた豪快な景色。北アルプスの中央に位置するだけあって主な山が全て見える。山に入って便秘で悩んでいたのだが、急に便意を催してきた。先ほどのヒョウタンボクの毒に当たったのかも。ゴーロの尾根を野口五郎へと向かう。4時過ぎ野口五郎小屋着。同宿者6名。私以外は湯俣から上がってきた人たち。

 

9/11 茶を1リットル(400円)入れてもらい、5時半出発。裏銀座の小屋は皆雨水だ。烏帽子から下山する男女と後になり先になり進む。私の持っている地図は剣・立山のガイドマップでこの辺りは辛うじて入っているが、今日目指す船窪小屋は範囲外だ。水が少し心配なので烏帽子小屋で買おうとしたが、いくら呼んでも誰も出てこない。小さい小屋だから聞こえないはずはないのだが。同行者も予定を変更して船窪小屋へ向かうことになった。烏帽子岳にもピストンしてノンビリ歩く。地図を碌に調べもせず何となく正面に見える不動岳を過ぎるとすぐ小屋だと錯覚してしまっていた。1時、不動岳の上に立って愕然とした。小屋は正面の山稜に近々と見えているのだが、そこに至る山稜は急激に高度を下げ、激しい凹凸があり、しかも大きく迂回している。「これはどう頑張っても4時間はかかりそうだ」幸い小屋の電話番号が地図に記載されていたので取りあえず3人分の予約を入れる。私のお茶はもう500lをきっている。水分制限をして歩かねば。
 はしご、クサリを伝って急な上り下りを繰り返しながら低いピークの船窪岳に着く。しかし船窪小屋は船窪岳ではなく更に一時間以上かかる七倉岳の頂上にあるのだ。結局5時半、小屋にたどり着いた。同宿者7名。

 

9/12 6時出発。一人となって、昨日ほどではないが、はしご、くさりを伝いながら最低部から500m上って蓮華岳に着く。針ノ木峠まで5時間。針木岳頂上から見ると立山・剣が正面に大きくそびえ立っている。真下には黒部ダムが青々と水を湛えている。新越山荘に向かう。毎日、非ステロイド系抗炎症剤を飲んでいたのだが、この辺りから下りで膝に痛みが走る。もう限界、トボトボと歩く。4時半小屋着。同宿者3名。

 

9/13 6時半出発。遂に天気の運も尽きて、朝から雨。種池に到着して以前に歩いたことのある後立山の朝日岳までのコースと繋がった。体中が痒く「温泉、温泉」と呟きながら、ビッコを引き引き杖に頼ってようやくのことで扇沢に下った。

前期高齢者としての体力をギリギリに使った山行で、記念となるだろう。

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