四月下旬、我々夫婦は片言の韓国語がしゃべれる友人の後ろにくっついて5泊6日の韓国個人旅行を楽しんできました。韓国旅行は1971年に一度いったきりで、それはまた思い出深いものがあったのですが、今回まずビックリしたのは以前はほとんどの山が禿げ山だったのですが、それが見事に緑化され青々とした美しい山並みを見せてくれたことでした。
韓国の写真など珍しくもありませんが、今回廻った中で比較的人の訪れなさそうな場所をご紹介します。
1)祇林寺・骨窟寺は慶州の東方海岸近くの山中にあります。韓国の寺はほとんど極彩色に塗られていますが、祇林寺の僧坊は白木の大変美しい建物でした。また近くの骨窟寺の摩崖仏は優しいお顔の仏様でした。
2)南山は慶州の南方に聳える山ですが、山中一帯に多くの石仏があるそうです。残念ながら、我々は時間がなく麓の石仏3カ所を回るのがやっとでした。石窟庵の完成した威厳のある石仏が新羅貴族の信仰した仏様であるとするならば、こちらは優しいお顔でいかにも新羅の庶民が信仰した仏様という感じでした。
3)安東は釜山を流れている洛東江の上流にある小さな都市ですが、この辺りは朝鮮儒学の巨頭・李退渓の居住したところでその一門から多くの政治家、学者が輩出したことで有名なところです。河回村は大きく湾曲する洛東江に囲まれたところにあり、古い村の様子がよく保存された村です。3年前にエリザベス女王が訪問され、一挙に有名になり観光客で大変混雑していました。この村は全村、柳姓で壬申倭乱(文禄・慶長の役)の時の宰相だった柳成龍の出身地でもあります。屏山書院は河回村から少し離れたところにありますが、柳成龍を記念して作られた書院で河回村の柳氏子弟の学校だったとのことです。屏山書院は今回の旅行で一番気に入った場所でした。
4)ソウルでは、市内観光、国立博物館、宗廟、秘苑などそれぞれの美しく印象に強いものがありましたが、今回は省略。友人と家内は仕事があり一日早く日本へ帰りましたが、暇人の小生は一人残ってソウルの北に聳える北漢山を半日ハイキングしてきました。近年、韓国でも登山、ハイキングが大変盛んになったと聞いていたのですが、書店で地図を求めようと何軒か廻ったのですが、適当なものがなく苦労しました。日本の国土地理院の地図の様なものがどこで手にはいるのか店員も知りませんでした。35年前の訪韓時は雪岳山に登ったのですがその時はどうやってだったか手に入れたので、ないはずはないと思うのですが。北漢山は大して高くはないのですが頂上は花崗岩の塊で鈴鹿のあたりに似ているのでしょうか。道は大変よく整備されており、尾根の縦走路は東海自然歩道クラスの道幅でした。尾根伝いに古い城壁が残っているのですが、驚いたことにそれを全て新しく作り直しているようです。今更実用的価値はないと思うので観光用なのでしょうが。
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