2011年12月 陳陶 隴西行
この秋、家内と娘がツアーに参加して、西安・敦煌に旅行しました。私は仕事が休めず残念ながら行くことが出来ませんでした。それで西域の詩を。
作者の陳陶は晩唐の詩人ですが、何回も受験したが進士に合格することが出来ず、後に都を去り行方知れずとなったようです。
誓掃匈奴不顧身 誓って匈奴を掃わんとして身を顧りみず
五千貂錦喪胡塵 五千の貂錦(ちょうきん) 胡塵に喪う
可憐無定河辺骨 憐むべし 無定河辺の骨
猶是春閨夢裏人 猶お是れ 春閨 夢裏の人
必ず匈奴を征伐しようと、我が身を省みず出征した五千人もの毛皮や錦で着飾った兵士は砂漠の塵と消えた。
憐れなことに、この無定河の辺りに散らばっている白骨は、故郷ではまだ帰りを待ちわびながら妻が毎夜夢に見る人なのだ。
参考図書
漢詩名句辞典 鎌田正、米山寅太郎著 大修館書店