新年の野景
今月は比較的平易な詩ですので解説は省略します。
蘇軾 新年
暁雨暗人日 暁雨 人日に暗く
春愁連上元 春愁 上元に連なる
水生挑菜渚 水は菜を挑(と)る渚に生じ
煙湿落梅村 煙は梅の落つる村を湿す
小市人帰尽 小市 人 帰り尽くし
孤舟鶴踏翻 孤舟 鶴 踏み翻る
猶堪慰寂寞 猶お寂寞を慰むるに堪えたり
漁火乱黄昏 漁火 黄昏に乱る
楊万里 丁亥正月新晴晩歩
急下柴車踏晩晴 急に柴車より下りて 晩晴を踏む
青鞋歩歩有沙声 青鞋 歩歩 沙声有り
忽逢野沼無人処 忽ち野沼の人無き処に逢う
両鴨浮沈最眼明 両鴨 浮沈して 最も眼明らかなり
参考図書
中国文学歳時記 春 黒川洋一他編 同朋舎
楊万里詩選 劉斯翰選 遠流出版公司