2016年01月
姚合 新春
姚合は中唐の詩人。官僚としてはまあまあの地位まで昇っている。
官卑長少事 官は卑にして 長(つね)に事は少なく
県僻又無城 県は僻にして 又た城無し
未暁衝寒起 未だ暁ならざるに 寒を衝きて起き
迎春忍病行 春を迎えて 病を忍びて行く
樹枝風掉軟 樹枝 風に掉(ゆ)れて軟らかく
菜甲土浮軽 菜甲 土に浮びて軽し
最好林間鶴 最も好し 林間の鶴
今朝足喜声 今朝 喜声足る
元好問 東園晩眺
霜鬢蕭蕭試鑷看 霜鬢 蕭蕭 試みに鑷(ぬきと)りて看る
怪来歌酒百無歓 怪しみ来る 歌酒に百も歓び無きを
旧家人物今誰在 旧家の人物 今誰か在る
清鏡功名歳又残 清鏡 功名 歳又残す
楊柳攙春出新意 楊柳 春を攙(たす)けて新意を出し
小梅留雪弄余寒 小梅 雪を留めて余寒を弄す
一詩不尽登臨興 一詩は尽さず 登臨の興
落日東園独倚欄 落日 東園 独り欄に倚る
参考図書
中国文学歳時記 春 黒川洋一他編集 同朋舎