湖北・高島トレイル山行(2009.02)
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三重岳頂上付近

 

大日のブナ林

大日のブナ林

大日のブナ林

轆轤山方面

 今回、目指すコースは滋賀県高島市角川から北に湖北武奈ヶ岳に登り、三重岳を経由して県境尾根に出、西に折れて三十三間山に至る縦走である。武奈ヶ岳から県境尾根までは中央分水嶺で、近年高島トレイルと名付けられ人気が出てきた登山コースの一部である。標高は最高峰の三重岳でも974mと低いが豪雪地帯である。
 昨年もこのコースに挑戦し、武奈ヶ岳山頂で強風の中キャンプをしていると、明け方家内から電話で帰還命令が出て、撤退となった。この地帯に出た風雪警報と雪崩警報にビビッてしまったらしい。行けたのに。
 今年は、先週の四月のような陽気で雪があるかどうか心配なくらいであったが、幸い今週になって寒気が戻ってきた。

 第一日:角川集落から赤岩山(740m)までの尾根の登りは2,30cm程の新雪のみで根雪は消えてしまっている。ツボ足で快調に登る。赤岩山でスノーシューをつける。吹雪となり視界はきかなくなる。武奈ヶ岳、去年は雪の下だった標識が頭をのぞかせている。大分雪が少ないようだ。激しい雪の中、三重岳とのコルへ下る手前でテントを張る。

 第二日:昨夜の雪でテントは2,30cm埋まっている。今回は軟弱ではいけないとシュラフは3シーズン用を持ってきたが、朝まで熟睡できた。今回初めて使用したThermolite Ractorなるシュラフインナーが効果を発揮したのかもしれない。これで8℃は暖かくなると書いてあった。
 コルからの急登でスノーシューが滑って苦労するが、後は三重岳まで緩やかな高原状の斜面をのんびりと登る。今日は曇ってはいるが雪は降っていない。山頂。広大な山頂を独り占めである。県境(大御影山分岐)までは起伏の緩やかな稜線を歩く。県境尾根にはいると大日のブナ林である。ちょっと関西では珍しいほどのブナの純林だ。折から射してきた薄日に枝いっぱいに着けた霧氷が輝いて美しい。ブナ林を過ぎると巨大な送電線に出くわす。ブーンブーンと不気味な唸りをあげている。若狭の原電から京阪神へ送電しているのだろう。ここから尾根は西に折れる。しばらく行くと天増川から林道が上がってきている。林道にテントを張る。夕方になって湿った雪が降ってきた。下界は雨だろう。

 第三日:テントにはベッタリと湿った雪が着いているが、雪は止んで雲間から青空が見えている。三十三間山まではなだらかな稜線の登りである。大したことはないと思ったが、意外に時間がかかる。ようやく山頂。眼下には若狭の田野、三方五湖、日本海が望まれ、なかなかの眺望である。南方へ連なる尾根には轆轤山の坊主頭が白く耀き、花札の絵柄に入れたいと思うほどだ。あそこまで行ってから下山しよう。
 下り始めて、振り返ってみると、丁度山頂を飛び立った巨大な鳥が私を見送ってくれるかのように上空を旋回している。あの大きさと翼に付いた白い紋から考えるとオオワシだろう。北海道にしかいないと思っていたが、あとでネットで調べてみると湖北から三方五湖にかけて少数棲息しているらしい。

今回の三日の山行では人に会わずじまいであった。

 

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