岩手山-八幡平縦走
2017/07
この辺りは50年前、仲間5人で八幡平から秋田駒まで縦走を試みたことがある。その時、大深山荘に2泊して岩手山までピストンしたのだが深いガスで不動平でギブアップした。おまけにその翌日からはひどい雨で結局、乳頭山まで行ってそこから乳頭温泉郷に下山したのであった。
今回、少し長い休暇が取れたので前回のリベンジと、岩手山から秋田駒まで縦走して国見温泉に下るという、爺さんにしては極めて挑戦的な計画を立てた。
7/19 朝、7時過ぎの新幹線に乗り、12時半に盛岡に到着。便利になったもんだ。昼飯を食べ、タクシーを奮発して馬返し登山口へ。この辺りはブヨが多そうなので、今回はイカリジン15%のスプレーを振りかける。これで3日間ブヨの被害は全くなかった。アレッ、地図がない。持ってくるのを忘れたみたい。GTS持ってるから何とかなるでしょう。
14時出発。八合目避難小屋まで、約1100mの急登である。登山口に薪が積んであって、小屋に泊まる登山者は薪を持って登るようにとある。年寄りなので2本で勘弁してもらう。火山なので道はゴロゴロした石で出来ているが、登りは比較的歩きやすい。
下の方から、大砲の音らしいのがひっきりなしに聞こえてくる。この下には自衛隊の演習場があるのだ。自衛隊員のグループが下ってきた。毎週登るのかと聞くと、笑って年に一度だと答えた。
トボトボと歩いて、4時間半かかってようやく小屋に到着。もうガイドマップのコースタイム通りには歩けない。立派な小屋だ。
馬返し登山口-薪の集積 | キバナノホトトギス | 下山中の自衛隊員 |
オオヤマオダマキ | ミネウスユキソウ | 八合目避難小屋 |
7/20 5時過ぎ出発。不動平に荷物を置いて、山頂に登る。コマクサが咲いている。お鉢の縁に着く。ガスがかかっている。石仏の並ぶ道を山頂に向かって歩く。
山頂から反対側へお鉢廻りを始めるとガスが晴れてきた。お鉢の中央にもピークがある。妙高岳と言うらしい。岩手山の山頂は薬師岳らしい。
不動平に戻る。ここから西へ向かうコースは鬼ヶ城とお花畑の2つあるが、お花畑コースを取ろう。
岩手山山頂 | 妙高岳と薬師岳(右:山頂) |
お鉢に並ぶ石仏 | 不動平と鬼ヶ城 |
ハクサンチドリ | ヨツバシオガマ | イワブクロ |
コマクサ | コマクサの群落 | ウコンウツギ? |
ハクサンシャクナゲ | ミヤマキンポウゲかな? | カラマツソウ |
道が悪い。片眼になって遠近感が悪くなったのと、体のバランスが悪くなったのとで、こういうゴロゴロ道の下りは一番苦手だ。ストックを頼りにそろそろと下る。ようやくお花畑に到着。名ばかりのお花畑だ。花はほとんど無い小さな湿地帯だ。大地獄分岐から少し登って鬼ヶ城の道と合流する。地熱地帯を姥倉山に向かう道で間違えて松川温泉に下る道に入った。だいぶ歩いて気がついて引き返す。一時間のロス。地図を忘れたたたりだ。
犬倉山の手前の水場で一休み。冷たい水だ。しかし、暑い。東北だから涼しいだろうと期待してきたのだが、標高が1400m程と低いせいもあるのかとにかく暑い。なだらかな道をトロトロ歩いて三ツ石山荘避難小屋に向かう。途中で仙台二高の20名ほどの女子高生グループと出会う。
4時丁度、三ツ石山荘到着。秋田駒まで行くには今日少なくとも大深山荘まで入っていないとダメだが、あと3時間はかかる。それにこの小屋は新しくて綺麗だし、周囲は池塘に囲まれて大変いい場所だ。近くの水場の水は手が痺れるほど清冽だ。ここでノンビリしたい。
午後の暖かい日射しの中、ベランダで昼寝をする。女子高生達はここから網張温泉へと下って行った。
お花畑 | 大地獄分岐 |
大 | |
縦走路 岩手山を振り返る | 姥倉山の高熱地 |
三ツ石山 | 三ツ石小屋 |
小屋の前の三ツ石湿原 |
7/21 昨日、早くストップしたので、今朝は2時半起きの4時出発とする。快晴だ。振り返ると岩手山の左に太陽が昇ってくる。神々しい情景である。しばらく登ると三ツ石山。山頂に岩が重なっている。三ツ沼の池塘を経て小畚山を越えると八幡平から秋田駒への稜線に出る。荷物を置いてしばらく秋田駒の方へ歩いてみる。道は荒れているようで、笹が道に覆い被さっている。歩けないことはないが時間がかかりそう。それにあまり楽しくはなさそう。これできっぱり秋田駒方面への未練は断てた。
大深岳を越えて少し下ると大深山荘避難小屋だ。9時半。ここも気分がよい所だ。ここで一日ノンビリしても好いな。八幡平の方に向かうとしたら泊まりは藤七温泉になる。スマホで調べて、電話をしてみる。今夜は空室があるが、明日は満室とのこと。ついでに天気予報を見てみると明日から崩れるとのこと。これは今日中に藤七温泉に入るしかない。決まり。
岩手山の日の出 | 三ツ石山荘 |
秋田駒ヶ岳遠望 | 三ツ石山 |
三ツ石山を振り返る | 三ツ沼 |
小畚山と奧の八幡平-秋田駒稜線 | 大深山荘 |
𡸴岨森、諸桧岳、池塘群を越えてたいした上り下りもない道をノンビリと歩く。
畚(もっこ)岳登り口。最後のピークなので登っておくか。1578m。展望は最高だが、霞がかかっている。
少し歩くとドライブウェイにで、下ってゆくと藤七温泉。野性味あふれる広大な露天風呂で汗を流し、山菜オンパレードの夕食バイキングでお腹をいっぱいにして今回の山行はおしまい。予定より一日早く終わってしまったが、年相応の山行だったか。
八幡平への縦走路 | |
鏡沼 | 石沼 |
池塘 | 畚岳(もっこだけ) |
藤七沢源流 | 藤七温泉 |
リュウキンカ | ニッコウキスゲ | コオニユリ? |
タカサゴソウorシロバナニガナ? | オトギリソウ | ツリガネニンジン |
アカモノ | シモツケソウ |
7/22 天気予報通り、朝から土砂降りとなった。バスは12時50分までないので、豪雨の中二度も露天風呂に入浴する。広い浴槽を独り占めだが、雷の音がすごい。近くに落雷があると浴槽の中で感電するのかな。
盛岡まで出ると秋田新幹線は不通になっていた。最初の予定通り、秋田駒に向かっていたら、2、3日は山中で立ち往生していただろう。