大分・宮崎サイクリング (2017.3)
大分から宮崎の海岸と山中を走ってきました。気ばかり若くても、体はついてこずすっかりバテてしまい、前の上り坂があると恐怖感まで感じました。その上、想定外の寒さで震え上がってしまいました。当分の間は坂は見たくない気分です。
第一日 快晴。フェリーで神戸から大分港に到着。まずR197を東へ走り、関アジ・関サバで有名な佐賀関へ。港に着くと丁度四国佐田岬三崎港からの国道九四フェリーが入港してきた。佐賀関には大きな銅の製錬所が操業している。国道はR217と変わり半島を廻り込んで南西に海岸沿いを走ると臼杵に到着する。ここでは何をおいても石仏を見なくちゃ。素晴らしい。
大分近くの港 | 佐賀関近くの渚 | オオキバナカタバミかな? |
フェリー到着 | 豊後水道 | |
臼杵石仏 | 臼杵石仏 | 臼杵河畔の桜 |
空腹になったので路傍の讃岐うどんの店に入る。エビ天は旨いが麺はコシが無くて讃岐うどんではないな。
再びR217を南に走る。新臼津トンネルを越えると津久見だ。津久見というと高校野球の津久見高校ぐらいしか知らないな。駅前に大友宗麟の銅像がある。ここは宗麟終焉の地らしい。
次の町は佐伯だ。スーパーで食料を仕入れる。朝食用に大分名物の団子汁のパックを買う。R388に入り、東に走り海岸を目指すも途中の小さな集落の神社の境内でテントを張らせてもらう。水もトイレもあり、頗る便利だ。夜は意外と寒い。
大友宗麟の銅像 | 部落の天神さん |
ルート
第二日 雨模様。おまけに風邪を引いたらしく、のどがヒリヒリして、頭痛もする。佐伯まで引き返して、延岡まで輪行するかと考えたが、ちょっと情けない。ともかく延岡まで最短距離で走り、駅前のホテルに入り、次の日は体調に任そう。
予定ではここから海岸に出て海沿いを走るつもりだったが、R388で山を越えて蒲江に出る。かまえ道の駅で大休止。雨は止みそうにない。しかし風邪の方は治ってきたみたい。
ここから、蒲江湾、猪串湾、名護屋湾と海沿いを走る。葛原浦まで来て、ここから先海沿いに延岡に向かうとだいぶアップダウンが多そうだ。それより、R388のバイパスで蒲北トンネルを抜け小川流域に出るとあとは川沿いに下る一方だ。距離は長いがその方が楽そう。トンネルまでの登りは200m弱。あとは雨の中ひたすらに川沿いに下ってゆく。
トンネルを抜けると蒲江だ | 河内湾 | アオサかな? |
葛原浦の浜 | 乞食坊主のような | トンネルを抜けると延岡市 |
途中、中に大きな炭焼窯が十基ほど並んだ建屋が現れる。今は使われていないようだが日向備長炭を焼く窯のようだ。
更に下ると、R10と合流する。しまった、これはトラックなどの通行が多くて走りにくいぞ。ところが驚いたことに幹線道路のはずなのに車がほとんど通っていない。どうやら無料の東九州道が近くを並行して走っているため、そちらに流れたようだ。
やがて、北川。ここはホタルの乱舞で有名らしい。一度見てみたいものだ。
天孫、ニニギの命の可愛(えの)山陵と西南の役激戦地跡。ニニギの命の陵墓は鹿児島県にもあるらしいが、どちらにしても伝説上の話だ。しかし、宮内庁管理の陵墓参考地となっている。
日向備長炭の窯 | 小川 | 北川辺り |
可愛山陵 | 可愛山陵 | 西郷隆盛宿営地 |
やっと、延岡。駅前のビジネスホテルに入る。明日、体調がよくなければここで中止しよう。
ルート
第三日 快晴。体調も快復。R218を五ヶ瀬川に沿って北方町まで走る。ここから最初の目玉、六峰街道に登る。六峰街道とは北方町から五ヶ瀬町まで五ヶ瀬川の南に連なる標高1000m前後の六つの峰を結ぶ全長57kmの林道である。山上には遊園地や天文台があり、出来た当時は賑わったと思われるが今はさびれているようである。おまけに今日は火曜日皆休館日である。
最初の速日の峰まではいきなり800m近い急登である。気息奄々と漕ぎ上がる。途中でパンク。見ると5ミリほどのとがった石粒がナイフのように突き刺さっている。この程度の石でパンクするなんて、安物のタイヤだ。予備のチューブと入れ替える。慣れない仕事で時間がかかる。
ようやく、遊園地。当然しまっていて無人。尾根に出るとむちゃくちゃ冷たい風が吹き抜ける。これは想定外の寒さだ。10キロほど尾根道を走るとキャンプ場がある。ここも閉まっていて無人。ここで今夜のために水を補給する。幸い一個だけ水の出るカランがある。すぐに中小屋天文台。風を避けて、日なたボコをしながら大休止。
五ヶ瀬川 | 登りの林道 | 速日の峰辺りの眺め |
中小屋天文台 | 六峰林道風景 | 六峰林道風景 |
真弓岳を過ぎると桂峠。ここから300m程下った山腹に諸塚村桂という五軒ほどの小さな集落がある。民俗学者宮本常一の「山に生きる人々」に出てくる所で、ちょっと興味がある。初めの予定ではここに荷物を下ろして空荷で往復する予定だったが、時間が押している。サイクリスト禿羊は「行ってももどうせ何もないから先を急ごうよ」。旅人禿羊は「でも行かないと後悔するよ」と主張する。いまからピストンすると尾根筋でキャンプとなる。それは寒そうだから、ここから谷筋まで降ってテントを張ろう。
急坂を下ると、桂集落だ。小さい集落だが由緒ありげでゆかしさを感じる。「山に生きる人々」には面白い話が書かれているのだが、長くなるので割愛しよう。
桂から更に下り、柳原川に出、それを少し遡ると立岩という集落に出る。見上げると学校らしきものがある。こんな小集落だから廃校跡だろう。今夜はここで泊まろう。運動場の片隅のテントを張る。
北里為義戦死の跡 (1500年頃) この墓を守って家臣が村を作ったらしい | 村の田圃 | 集落全景 |
村の田圃 | 立岩小学校跡 | 立岩の白梅 |
ルート
第四日 今日も快晴。谷沿いに日諸峠まで登り返す。ここから又、六峰街道を西に向かう。諸塚山の辺りは雪が残っている。一昨日はこの辺りは雪だったようだ。山上の道は今は「花も紅葉も無かりけり」でいささか殺風景だ。二上山から下ると六峰街道もお終い。すぐ五ヶ瀬町の中心部だ。むかし、ここの田圃でテントを張ったことがある。
日諸峠まで登り返す | 諸塚山の眺め | 路傍の雪 |
五ヶ瀬町辺りを望む | 林道脇の諸塚神社の鳥居 | 六峰林道終わりの下り |
Aコープで食料を仕入れ、県道8号線を北に竹田市を目指す。この道は祖母山の西側の山腹高原を縫って走っている。五ヶ瀬から急登で高原に登る。西には阿蘇連山が見える。しばらく走ると急降下して、五ヶ瀬川を渡り又高原に急登。これがきつかった。田原でR325とクロスして更に北上する。ここから標高800mの崩野峠へと延々と登りが続く。途中で気力が尽きた。たいした坂ではないのだが、最後は押して登った。五ヶ所という集落の小学校跡でキャンプ。
県道8号線 丘陵地帯を行く | 阿蘇連山を望む | 路傍の仏さん |
地蔵さん、お大師さん? | 五ヶ瀬川を渡る | 祖母山 |
田原入り口の天手力男命と天宇受売命 | 田原の里 | 五ヶ所小学校跡 |
ルート
第五日 昨夜は寒かった。ペットボトルが凍っている。ここから竹田市までは快調な下り。下るにつれてポカポカと暖かくなってきた。途中、音無井路(おとなしいろ)円形分水という面白い構造物や、明正井路というアーチ型石橋、湧水群などを見て竹田に到着する。
県道8号線(熊本県) | 大分竹田市に入る | 音無井路(おとなしいろ)円形分水 |
明正井路(水路橋) | アーチ橋(緒方川) | 竹田の湧水 |
岡城址を見物。
滝廉太郎と久住山群 | 岡城西の丸 | 岡城本丸 |
最初の予定では竹田から祖母・傾の間の尾平越(県道7号)で高千穂、更に傾山の山麓杉ヶ越(県道6号)通って大分へ帰るというマニアックな計画だったのだが、そんな気はすっかり失せた。荷物を宅急便で送り、空荷になって長湯に向かう。少し坂があるが、空荷は自転車が軽い。長湯で泊まる。奇湯・ラムネ温泉で疲れを洗い流す。
宿の前の河原に有名なガニ湯があるが、この寒さで入るのは年寄りの冷や水だ。
ラムネ温泉 | ガニ湯 |
ルート
第六日 昼まで宿の湯やラムネ温泉でノンビリして、大分港へ帰る。おおむね下りで楽なコースだ。途中の水の駅で大分名物「だんご汁」を食べる。団子というよりは「ほうとう」に近い麺状だ。コシはないがなかなか旨い。それで思い出した。臼杵で食べた讃岐うどんもコシが無かったがこれはだんご汁の影響かな?
だんご汁 | 由布岳(左)と鶴見岳 |