高島トレイル −おにゅう峠サイクリングと三国峠ハイキング−

(2018.4.20〜21)


 一月に再び腰を打撲して、今度こそ再起不能かと思ったが、どっこい何とか這い上がることが出来たが、結局3ヶ月かかった。回復したといっても体力には不安があるので、軽いコースとして第一日目は高島市朽木を出発しておにゅう峠を越え若狭に入り、小浜から熊川を経由して朽木に戻る約80kmの一周コース、それから朽木生杉の奧に移動してテント泊次の日は昨年秋に歩き残した高島トレイルの最後の部分を歩こうと計画した。天気予報は良さそうだが近畿地方は日中30℃を越えそうだ。
 
4/20 7:30 朽木本陣道の駅を出発。安曇川支流の北川を遡る。徐々に高度を上げながら、雲洞谷(うとだに)、能家(のうげ)を過ぎる。しかし苦しいというほどの坂ではない。標高500m弱の峠を越え少し下ると小入谷の集落だ。ひっそりとして、人影は見られない。満開の桜が見事だ。

   
北川を上流へ   新緑の山
   
  能家 
   
小入谷集落  茅葺き家屋 
   
  満開の桜 

 ここからおにゅう峠への林道に入る。入り口に通行止めの標識が道を塞いでいる。例によって無視して進入すると、前方で工事中のブルドーザーに通行は絶対ダメと制止される。やむなく引き返して集落の店で買い物しながら、「通行止めで残念だ」と話すと、「自転車なら通れるよ」。「でもブルドーザーが・・・」と答えかけると、目の前をブルが通り過ぎて行った。ラッキー。
 再び林道に入って行く。まあ、自己責任で通らせてもらおう。小砂利が路面に散らばっているが、車だって通れないことはない。峠までは400m弱の登りだ。勾配は大したことはないが、ギアを最低にしてヨロヨロと登ってゆく。やっぱり大分脚力が衰えている。爽やかな風に吹かれ、新緑を目に一杯入れながら、小一時間かかってようやくおにゅう峠に到着する。昨年秋、縦走した時は小雨の中の寂しい風景であったが、今日は気持ちのよい峠だ。人っ子一人いなくて寂しいことに変わりはないが。

   
   
   
  おにゅう峠 

 若狭側へと下りにかかる。こちら側はほとんど舗装されていない。おまけに冬の間の落石が路面一面に散らばっているし、道路半分ふさがっている場所もある。前輪が滑らぬようにソロソロガタガタと下ってゆく。手が痺れる。ああ、ここは下りて歩かないとダメだ。降りもやっぱり小一時間かかって、若狭側遠敷川最奥の集落、上根来に出た。少し下ると遠敷川沿いに下りの快適な道となる。
 鵜の瀬に出る。東大寺二月堂のお水取りにゆかりの場所だ。

   
 峠からの眺め  降りの林道
   
   上根来の集落
   
 遠敷(おにゅう)川 鵜の瀬 

  神宮寺の下を素通りし、R27を東に走る。上中駅を過ぎてR303を琵琶湖方面に向かう。この辺り、若狭姫神社、瓜割の滝などちょっと寄ってみたいところはあるが、今回は全てパスする。熊川宿に到着。一息つける。道の駅で名物の葛切りを土産に買う。いつもは大宇陀森野の葛切りを買うのだが、ここのはちっと色が黒い。味はどうなのかな? 
 少し走って予定では寒風川沿いの林道を椋川へ抜ける予定だったが、ここも林道入り口で通行止め。おまけに地道の山越え、まあ50m程の登りのようで押して上がっても大したことなさそうだが、何となく気がそがれた。それよりも旧道をとって水坂峠を越えよう。水坂峠は高島トレイルの前半と後半を繋いだところだ。保坂からR367を桜峠までトロトロと上る。桜峠から檜峠を越えると出発点の朽木まではあっという間だ。ちょっと物足りないし、時間もある。椋川へ廻って横谷峠を越えよう。
 椋川から横谷峠の登りは200m程で緩やかな登りだ。峠を越え朽木麻生へ出て、朝の道を逆に走って道の駅に無事到着。
 90km程のコースで獲得標高は1400mほどか。気持ちのよいコースだった。高島トレイルをおにゅう峠、水坂峠、桜峠、横谷峠で4回クロスしたことになる。このあとスーパーで食料を買って、朽木生杉の奧の広場でポップアップテントを張って、明日のハイクに備える。

   
 熊川宿 宿場の町並み 
   
  水坂峠 
   
椋川集落  横谷峠 


走行地図


4/21 昨夜はえらく寒かった。今日は若走路をなべくぼ峠に登り、縦走路を三国岳まで辿り朽木桑原に下り、自転車で駐車場所まで帰る予定だ。車で桑原まで自転車を運び、小屋の裏にデポする。車の温度計を見ると3℃だ。寒いはずだ。
 七時前に出発する。谷沿いによく踏まれた古道を辿り、小一時間でナベクボ峠に到着する。道は途中から谷の山腹に上がるのだが、谷沿いに進み少し道を間違え、谷の斜面をよじ登る。ここから昨年秋に通ったトレイルを辿る。なだらかな尾根を暫く上ると三国峠に到着する。ここは地理院の地形図では三国岳と表記されている。標高776m。ここから先、尾根の西側は芦生の京都大学演習林となり、立ち入り禁止区域だ。昨年は雨のためここから生杉へと下った。
 いよいよ、高島トレイルの続きに入る。小さな上り下りを繰り返し、約2kmを1.5時間ほど歩くと地蔵峠に到着する。この峠は昔、自転車で芦生側から生杉へ抜けた思い出がある。当時でも許可なく通り抜けすることは禁じられていたが、芦生の宿の親父が「みんな黙って通っているよ」と教えてくれたので、私も通らせてもらったのだった。

   
ポップアップテント  若走路入り口 
   
  ナベクボ峠 
   
峠の墓石   
   
   
   
   
   
 イワカガミ スミレ 
   
  地蔵峠 

 もう10時だ。急げば明るいうちに桑原に下れるだろうが、暑くなってきたし、何か昨日の疲れも残っているし、足にマメも出来たようだ。だんだんネガティーブな気持ちになってきた。こうなるとこの歳ではもうお終いだ。縦走は後日にしよう。ちょっと尾根まで上って昼寝でもして帰ろう。
 少し高いところまで登って、木陰で横になる。ヒメシャラの葉だろうか、陽の光に透けてきらきら光っている。一時間ほど昼寝をする。風が通り抜けて爽やかである。
 地蔵峠まで引き返し、林道をノンビリ下って出発点まで帰る。あとはテントを片付けて、針畑川沿いに走って桑原で自転車をピックアップして今回の旅は終了した。

   
ヒメシャラの若葉   
   
地蔵峠からの下り道   
   
針畑川沿いの廃屋  桜かな?