谷川岳−平標山縦走と赤湯温泉
2018.07

 7月13日で75歳となった。いよいよ後期高齢者である。
 七月中に幸い3泊の日程がとれたため、記念にまだ登っていない百名山の苗場山に登ろうと計画したのだが、苗場山だけで3泊はもったいないので前座として谷川岳から仙ノ倉を経て平標山(たいらっぴょうやま)への縦走をやってから、苗場山に向かおうと考えた。後から考えると後期高齢者のすることではないハードな登山で結局前座だけで終わってしまった。
 西日本の記録的な豪雨も終わり、カッと暑い太陽が照りつけているが、あの辺りまで行けば少しは涼しいだろうとも思っていた。

7月19日(木) 大坂から越後湯沢まで新幹線、そこから在来線で引き返して土合駅には昼過ぎに到着。ケーブルで天神平まで上がる。
 快晴で結構暑い。天神平の正面には朝日岳がスッキリとした姿を見せている。
 今日は谷川岳肩の小屋泊だからノンビリと登る。この道は丁度50年前、登ったことがある。あの時も天神平まではケーブルで上がり、頂上から一ノ倉岳を越え、蓬峠まで縦走し、そこから土合へ下ったのだった。
 下ってくる人は多いが、この時刻に登る人はいない。特に書くほどのこともなく、2時間半ほどかかって肩の小屋に4:30に到着する。小屋に着くと、小屋の主人から早速、予約の電話が遅いとおしかりを受ける。小さい小屋だから無理もないか。これからは気をつけよう。
 荷物を置いて、頂上へ。トマノ耳までで、沖ノ耳は今回はパス。ガスがかかってきて展望はない。
 同宿は4名である。夜中も、布団を蹴って寝るほど暑い。

   
JR土合駅   
 
天神平からの展望(左:谷川岳、右:朝日岳) 
   
 ニッコウキスゲ(拡大写真へ) クガイソウ (拡大写真へ)
   
 谷川岳(拡大写真へ)  谷川岳への登山道
   
登山道を振り返る (拡大写真へ) ギボシ 
   
 ハクサンシャジン?(拡大写真へ) クルマニユリ (拡大写真へ)
   
 肩の小屋 トマノ耳 


7月20日(金) 4:30起床、暖かい。気温17℃。トマノ耳で日の出を見る。快晴ではないが、雲の上に日が昇る。

   
  (拡大写真へ) 
   
 オキノ耳と一ノ倉方面 肩の小屋へ戻る 

 この小屋には水場がないので、雨水の湯冷ましを貰って、下から上げたのと合わせて1.5l持つ。
 6:00 出発。今日の尾根筋は草原で木陰は期待出来ない。暑くなりそう。
 1時間ほどで、オジカ沢の頭。ここに小さな避難小屋がある。ブリキのチューブ状で詰めれば5人ほどは入れようか。落雷のときの緊急避難によさそう。ここから仙ノ倉までに4つあるらしい。ここで今日唯一の登山者(若いアベック)と出会う。昨日、平標山の家を出発して大障子避難小屋で一泊したとのこと。ノンビリと歩いている。
 越後側の谷の底に巨大なコンクリートの塔が見える。何だろう。(帰って調べると、関越トンネルの通気孔らしい)。
 だんだん暑くなってきたぞ。日はジリジリと照りつけるし、風はない。花はそれなりにあるが感激するほどの花畑ではない。

   
縦走路を下る (拡大写真へ) ? 
   
 ウスユキソウ 稜線を行く (拡大写真へ)
 
オジカ沢の頭からの展望(右の尾根が縦走路) 
   
オジカ沢の頭避難小屋 (拡大写真へ) 小屋の内部 
   
 万太郎山(拡大写真へ  関越トンネル通気口

 8:30、大障子避難小屋。ここには少し遠いがこの縦走コースで唯一の水場があるし、小屋も少し大きい。ゆっくり一泊するには丁度よいか。
 大障子の頭を越え、300m程の登りで万太郎山に到着する。2時間近くかかっている。少しずつコースタイムより遅れてきている。暑かったが、少し風が出てきた。頂上から次のピーク、仙ノ倉山方面を見て愕然とする。尾根は急降下して、又急上昇している。よくよく地図を見ると約400mの下りと登りだ。これはきついぞ。
 ゆっくりしている暇はない。下り始める。幸い風は出てきたが、北側から吹いていて、道がちょっとでも尾根の南を通ると笹に遮られて全く風が感じられなくなる。南方に積乱雲が出て、遠雷が聞こえだした。北風が吹いていて、こちらの上空にはあまり雲がないのでまあ大丈夫だろう。
 12:00 最低鞍部。片眼が不自由になってからは、遠近感が頼りなくなり、下りでストックを突いていても不安でソロソロとしか歩けない。300m登ってえびす大黒の頭。平標の稜線に山小屋が見える。明日、苗場山に登るには今日中に苗場登山口か越後湯沢の町に着いていなければならないが、心細くなってきたし、疲れてそんな気の失せてきた。もう2時だ。小屋に電話して、今夜の宿を予約する。夕食は6時からとのこと。あと4時間、頑張らなくては。

   
大障子避難小屋。  花畑 (拡大写真へ)
   
ミヤマアキノキリンソウ?  万太郎山からの下り、トンボが飛んでいる (拡大写真へ)
   
花畑(拡大写真へ)  えびす大黒の頭と奧の仙ノ倉山 (拡大写真へ)
 
えびす大黒の頭から見た仙ノ倉山 
   
 クルマユリ(拡大写真へ) シモツケ(拡大写真へ)

 仙ノ倉山山頂、4時。ここから平標山まではなだらかな広い稜線で木道と階段が続く。霧がかかってきて誰もいない高原は寂寥としている。笹原で花もない。5時、平標山頂。急がなくては。
 6時少し前、山の家到着。ヤレヤレ。立派な小屋だ。

   
仙ノ倉山山頂  平標山 
   
湿原の花畑 (拡大写真へ)  平標山の家
   
小屋から見たえびす大黒の頭  ヒヨドリバナ (拡大写真へ)

 このコースは大体10時間のコースとのことだが12時間かかっている。禿羊衰えたり。

7月21日(土) 残りの一泊をどうするか。苗場山は無理だから、麓の赤湯温泉で泊まろう。それでもここから6時間ぐらいはかかるから充分な距離だ。しかし、あまり上り下りはなさそう。
 7:00 出発してゆっくり下り、元橋で国道17号線を横切り、山道に入る。後は清津川沿いの林道に出て最後また山道の峠越えでようやく赤湯温泉に到着した。これもなかなか充分一日の登山コースだった。汗ビッショリ。早速露天風呂に飛び込む。少しぬるめでノンビリと長湯が出来る。かたわらの清津川のせせらぎが美しい。

   
 小屋から坂を下る 林道に出る 
   
元橋から山に入る   清津川にかかる小日橋
   
伏流となった清津川  赤湯への峠 
   
見返り松  赤湯へと辿る 
   
カツラかな?  リョウブの花 
   
ブナ (拡大写真へ)  赤湯手前の橋
   
橋の下の流れ  清津川本流 (拡大写真へ)
   
赤湯玉子湯 (拡大写真へ)  玉子湯


7月22日(日) 今日は大坂に帰るのみだが、昨日通った元橋まで引き返さねばならない。これも4、5時間の歩きだ。涼しいうちにと早めに出発する。
 昨日と同じ道なので書くことはない。停留所の近くの峠の木陰で時間待ちのため1時間ほど昼寝をした。涼風に吹かれて大変気持ちがよかった。バスに乗ると、こんな田舎なのでガラガラかと思ったところ、ぎっしりと若い女の子が乗っていてビックリ。どうも、この奧でコスプレのイベントがあったらしい。あとは越後湯沢の駅の中の温泉で汗を流して列車に乗り込んだ。