2019年1月のハイキング
例年、1月はどこかに雪を見に出かけるのであるが、寄る年波のせいか、腰痛のせいか出かけるのがおっくうになり近場のハイキングでお茶を濁した。
1:柏原水仙郷から信貴山へ
「囲炉裏村」のハイキングに参加した。
朝、近鉄堅下(かたしも)駅に集合する。この辺りは生駒山脈西麓に位置し、昔からブドウの栽培が有名だったらしい。家内は大阪の小学校で堅下がブドウの産地だったことを習っていて、今でもそれを口にする。子どもの頃のブドウと言えばもっぱら小粒のデラウェアだったが、この辺りもきっとこれを作っていたのだろう。今は作り手が少なくなったらしい。
出発してすぐ石の鳥居がある。鐸比古(ぬでひこ)鐸比賣(ぬでひめ)神社と読むらしい。鐸(ぬて)とは大きな鈴のことだと「古語辞典」に出ていた。まっすぐ山に続く参道を辿ると神社に着く。正月らしく茅の輪が作ってある。この辺りは古代より、文化の花開いた所だから、河内の豪族がお祀りしていた由緒ある神様だろう。
堅下駅 | 鐸比古鐸比賣神社鳥居 |
神社参道 | 鐸比古鐸比賣神社 |
神社のすぐ横から山道に入る。小さいながら葡萄畑だ。
しばらく上ると、谷間を埋める一面の水仙が現れる。ほぼ満開だ。淡路島や越前海岸には比ぶべくもないが、近場でこれだけの水仙の群落が見られるのは嬉しい。地元の方々が植えてここまで増やしたらしい。水仙群落の中に洞穴が開いている。炭焼窯の跡かと思ったが、古墳とのこと。この辺りには多数の古墳があるとのこと。
水仙郷からちょっと上ると高尾山頂上(277.6m)だ。ここが下の神社のご神体のようだ。青空が気持ちよい。
ブドウ畑 | 柏原水仙郷 |
水仙郷の中の古墳 | |
冬の青空 |
ここから尾根伝いに高安山を目指す。車道を歩いたり、変電所の傍を通ったりして、またハイキング道に入る。大きな公園墓地の脇の展望台で昼食をとる。日射しが暖かい。
ケーブルの高安山駅を過ぎて少し行くと高安山頂上(487.5m)だ。
何の綿毛かな? | |
大阪平野 | 高安山頂上 |
ここから、高安山城跡に向かう。この辺り一帯は古代山城跡と伝えられている。斉明天皇や中大兄皇子の時、朝鮮に出兵して白村江の戦いで大敗をした。天智天皇(中大兄皇子)は朝鮮から攻めてくるのを恐れて、各地に防御施設を築いた。高安城はその一つである。城郭の跡などはない。広場に倉庫跡の礎石が並んでいる。周りは笹藪なので以前はその中に埋もれていたのだろう。よく見つけたな。
さらに進んで信貴山に到る。山頂は寺院となっている。ちょっと能勢の妙見山に似ている。山を下ると朝護孫子寺。なかなか立派な寺だ。信貴山縁起でしか知らなかったが、今回初めて参詣した。
バスで高安山のケーブル駅へ。ケーブルで下る予定だったが、一同歩き足りないとのことでケーブルの下の駅まで歩いて下る。
高安城倉庫の礎石 | 信貴山山頂 |
朝護孫子寺 | 信貴山 |
? | ヤブツバキ |
西側(羽束川沿い)から見た大船山 |
上の写真を撮った西側から登ると、ピストンするしかないが、裏側からだと周回コースがとれる。
大船山の東側の谷、波豆川の上流にフィールドアスレティックの施設がある。そこの駐車場に車を停めて登りにかかる。道はよく踏まれていて歩きやすい。冬枯れの杉林の道は殺風景である。書くことはあまりない。所々に昨夜降ったと思われる薄雪が残っている。
登山口から250mの登りで山頂への分岐点につく。ここからは100mほどの急登で山頂に出る。途中に祭祀跡のような磐座がある。修験道の修行地かな。
やがて山頂。
登山道 | 途中の祠 |
登山道 | 山頂への分岐点 |
磐座(いわくら)? | 山頂 |
山頂からの展望は素晴らしい。
南には羽束山が見え、その右奥遙か彼方には六甲、明石辺りの雄岡雌岡まで遮るものなく見える。逆に明石の海からは大船山がよく見え、瀬戸内海航行の目印だったらしい。東には大阪湾が光っている。北には大野山。
昼食を終え、下りにかかる。
南方、羽束山 | 東方 |
大阪湾遠望 | 北方、大野山あたり |
分岐点まで下り、来た道とは南側、反対方向の谷を下る。
少し下ると平地が有り、舟寺跡との標識がある。昔はここに寺があったが、今は下の波豆川に下って大舟寺となっているようだ。
やがて、波豆川の集落に出る。
舟寺跡 | 舟寺への町石 |
谷を下る | 波豆川集落 |
波豆川集落から振り返ると、大船山がよく見える。
集落外れの大舟寺に立ち寄る。黄檗宗の禅寺とのこと。ひっそりとしているが、由緒ありげな佇まいである。境内には見事なカヤの大木が聳えている。
ここから出発点まで車道を帰るのは簡単すぎる。もう一つ東側の山道を辿って帰ろう。ところがこの道、林道に替わっている。つまらぬ林道歩きとなった。やがて十字路に出た。これを左に林道を下れば出発点だが、物足りぬ。まっすぐに進むと山道だ。これを行こう。もとは広い杣道だったのだろうが、通る人もなく荒れ果てている。しかし苦労するほどのこともなく里にでた。遠くに大船山が見えている。出発点はもうすぐだ。
大船山(左のピーク)を振り返る | 大舟寺本堂 |
大舟寺のカヤの大木 | 山道を辿る |
里へ出た | 東から大船山を望む |