中国地方軽登山 (2019.05.01〜04)

 令和になってのゴールデンウィーク10連休、新しい車で中国地方へ出かけ、車中泊を重ねて三つ四つ日帰り登山をやろうと考えた。
前夜発で広島まで走り初日は三段峡ハイキングだ。

5/01
 三段峡ハイキング
 三段峡は過去にも二度ほど歩いているが、どうしたことか写真が残っていない。それで行き直すことにした。三段峡の上流出口、餅の木に自転車をデポして出発点の下流の入り口、柴木を出発する。
 早朝とあって、人通りはほとんど無い。遊歩道を原付に二人乗りで何台か追い越してゆく。これは上流にある店の従業員だろう。美しい渓流だが、上流にダムがあるせいか残念なことに完全に澄んでいるとは云えない。渓谷の見所にはそれぞれ名前がついているが、覚える気は無いしただ眺めを楽しむだけで充分だ。2時間ほど歩くと中流の入り口、葭ヶ原に着く。ここから30分程で猿飛というゴルジェがある。渡船で通り抜けると二段滝だ。今は一段になっているが以前は上に小さな一段があったそうだが大水で崩れたそうだ。真夏であったら泳いで遊べそうだが、今はさすがに寒い。
 渡船で引き返し、少しバックして別の支流を遡ると、三段峡随一の美瀑、三段滝に出る。三段滝の上流へと辿ると渓谷は平凡になりやがて餅の木集落に着く。まだ昼前だ。だいたい半日コースだがここから出発点まで帰るのが一苦労だ。

 
 
 
 
ウワミズザクラ   ミツバツツジ
 
 
 クルマバソウ ラショウモンカズラ 
 
二段滝  三段滝 
 
  餅の木集落 

 デポしていた自転車で峠まで一登り、後は出発点までの大下りだ。約20キロ、一時間だ。
 車で加計町のスーパーに行き、今夜の食料と酒を仕入れる。再びバックして餅の木の奧、恐羅漢山登山口の牛小屋高原キャンプ場の広い駐車場で車中泊とする。シエンタの後部は広く、2人用のテントよりは快適だ。

 


5/02 恐羅漢山登山
 
恐羅漢山(1346m)は広島県最高峰らしい。この辺り冬は相当な積雪があるようで周りに幾つかスキー場がある。50年ほど前、三段峡と併せて登ってみたいと思ったことがあったが、あまり情報が得られなくて断念した。今は軽いハイキングコースとしてキャンプ場で泊まってよく登られているようだ。
 恐羅漢スキー場のゲレンデが山頂直下まで上がっていて、ゲレンデの中の登山道を辿って行く。約400m程のなだらかな登りだ。花はムシカリとショウジョウバカマぐらいである。尾根に上がるとすぐ頂上だ。頂上の展望は良いのだが眺めはただ広々としているのみである。
 ちょっと歩くと隣のピーク、旧羅漢山に着く。ロープのついた巨岩があるが、これに登るのは年寄りの冷や水だろう。
 恐羅漢山へ引き返し、砥石郷山へと向かう。夏焼峠まではダラダラ下りの歩きやすい道だ。道ばたにはミヤマカタバミ、スミレが花盛りだ。峠で砥石郷山から下ってきた登山者に山の様子を聞くとあまり面白そうな山ではなさそうだ。行く気を無くしたがまあとりあえず手前のピークまで一登りしよう。1166mだから150mぐらいの登りだ。登ってみると恐羅漢山が綺麗に望める。登って得した。砥石郷山はと見るとすぐ近くだが行くほどのことはないか。木陰で寝転んでノンビリする。

   
ムシカリ  ショウジョウバカマ 
   
  恐羅漢山山頂 
   
恐羅漢山山頂   恐羅漢山と旧羅漢山とのコル  
   
   ミヤマカタバミ
   
 スミレ(何スミレかな?) 恐羅漢山 

 夏焼峠まで戻り、広い遊歩道を牛小屋キャンプ場まで戻り、恐羅漢山ハイキングはお終い。
 次の登山地、三瓶山に向かう。志学温泉で入浴して三瓶温泉スキー場の大きい駐車場で泊まる。

5/03 三瓶山登山
 快晴の朝、素晴らしい日の出である。 スキー場のすぐ上に女三瓶山が見える。ここはリフトがあるが現在故障で動いていない。
 広いなだらかな登山道を登る。まわりはスミレが一杯咲いている。三瓶山は中央に大きな噴火口の跡があり、その周りに男三瓶(1126)、女三瓶(953)、子三瓶(961)、孫三瓶(903)の山々がぐるりと取り囲んでいる。外輪山の稜線に出ると火口跡にある室内池が見える。ちょっと登ると女三瓶頂上だ。展望は絶景だ。
 ここから男三瓶へ稜線を縦走する予定であったが、崩落で通行止めとなっている。一見、通れないことはなさそうだが、万一事故でも起こすと何を書かれるか判らない。自重しておこう。
 室内池に下りる。オタマジャクシが一杯泳いでいる。鯉もいる。誰かが放流したのだろう。明るい日射しの中ミツバツツジが鮮やかである。男三瓶と子三瓶の間のコルへと登る。登りの途中で見つけたヤマルリソウが可憐である。
 コルから男三瓶への登りは年寄りには苦しい250mの急登である。ようやくのことで頂上平原に上がる。ゴールデンウィークとあって頂上は100人以上の人で賑やかである。一面にキジムシロが咲いていて、黄色が鮮やかだ。賑やかなところに長居は無用。早々に元来た坂道をロープに頼りながら慎重に下る。
 後は子三瓶、孫三瓶、大平山と快適な外輪山の縦走路を辿り、出発点に戻った。

   
駐車場の日の出 女三瓶山を望む 
   
 外輪山への登り スミレ 
   
 室内池 女三瓶頂上 
 
女三瓶頂上からの男三瓶、子三瓶、孫三瓶 
   
ナンテンショウ   室内池
   
 ミツバツツジ  カンスゲ?
 
火口からの登り  クルマバソウ 
 
ヤマルリソウ 男三瓶より西方を望む(大江高山辺り?) 
 
頂上平原  キジムシロ 
   
子三瓶より男三瓶を振り返る  孫三瓶からの縦走路


 5/04 吾妻山、烏帽子山、比婆山ハイキング
 
昨日、三瓶山より休暇村吾妻山キャンプ場の駐車場に移動する。標高1000mの木立の中で寒々とした所だ。今回の旅を計画したとき、前の3つはすぐに決まったがあと一つを何処にしようかと調べて見ると、三百名山に吾妻山というのが入っている。地図を見ると比婆山のすぐ傍だ。比婆山は知っていたが、吾妻山とか烏帽子山というのがここにあることは知らなかった。後めぼしいところもなさそうなので、ここに決めた。
 早朝、まず吾妻山を目指す。キャンプ場のきれいな池を過ぎると牧場だ。牧場を越えて灌木帯をちょっと登るともう山頂(1238m)だ。見晴らしは広大だが、これと云った見所は無し。反対側、東に下ると大膳原という平原に出る。こんなところにキャンプ場がある。車で入れるところではないが、樹林帯の中の気持ちのよい場所だ。何張りかテントが張ってあり、大きな山小屋にも何人か宿泊しているようだ。大膳原から振り返ると吾妻山のなだらかな山容が優美である。前方に烏帽子山は吾妻山とほぼ同じ高さだがチョコッとした丘のようだ。
 烏帽子山山頂は広い原となっている。ここに烏帽子岩がある。なるほど烏帽子によく似た形だ。これが山名の由来となったようだ。また近くに条溝石という不思議な岩がある。等間隔に直線の溝がある。人工のものかはたまた自然のものか?
 隣の比婆山まではすぐだ。、少し遠回りだが山腹のブナ林の中を通って行こう。ここは昔、ヒバゴンなる類人猿?が見つかったと大騒ぎになった所だ。此の山には三角点がないようだが、その代わり頂上に伊弉冉命(いざなみのみこと)の御陵がある。完全に神話の世界の神なので御陵など有るはずも無いと思うのだが、古事記にこの辺りに葬られたと書かれていて、古くから信仰の対象となっているらしい。万一、本当だったらまずいので一応頭を下げて手を合せておこう。まあ、パワースポットらしい雰囲気は十分ある。
 同じ道を往復するのは大嫌いであるので、ここから直接下る比婆山古道を下ろう。下った後、4キロ程車道歩きがあるがやむを得ない。下り始めに命神社という小さなやしろがある。ここに村人がお祭りに登った道だったらしいが、近年整備されたとのことで歩きやすい。古道入り口からは舗装道をブラブラと出発点の駐車場まで戻る。駐車場周辺にはキケマンが沢山咲いている。日陰の花で黄色なのに華やかさがない。

   
吾妻山キャンプ場の池 大膳原の新緑 
大膳原から吾妻山を振り返る 烏帽子山に向かう
烏帽子岩  条溝石
   
 比婆山のブナ林 これもブナかな? 
   
  比婆山のブナ林 比婆山御陵 
 
命神社  古道入り口 
   
 キケマン フデリンドウ(コケリンドウ?) 

 これで今回の旅行は終了。後は帰り道で湯原温泉足の湯で旅の疲れをとって、帰阪した。