カナディアンロッキー アッシニボイン州立公園
その1
 モレ−ンレイク トレッキング

(Sept. 2019)

(写真はクリックで拡大図に移行します)


 毎年、少なくとも一回は海外旅行をするのが目標であるが、今年は決めるのが大変だった。春にフンザへ杏の花とヒマラヤの高峰を見に行くツアーに申し込んでいたが、出発直前になってカシミール紛争のためパキスタン上空飛行禁止で催行中止となった。イタリアドロミテトレッキングは参加者が少なくて中止。ヨルダン・ペトラ遺跡はこちらの事情で参加取りやめ。一寸焦っていたとき見つけたのが今回のツアーである。
 カナディアンロッキーへは、40年ほど前、行って以来である。あの時は家族でバンフからジャスパーまで観光しながらドライブした。今回、バンフ辺りを再び見られるのも楽しみの一つである。
 アッシニボインについては私は何も知らなかったが、家内はどこかで聞き込んでいて、ロッジの食事が大変美味しいらしいと目を輝かせて行く気になった。歩く方は全く自信がなさそうだったが、きついときはロッジでノンビリ一日過ごせばいいということで納得。

9/16
 成田空港に集合したのは7名。アレッ、少ないな。これで催行して採算とれるのかな。後で判ったのだが、今回4連泊するアッシニボイン・ロッジはキャンセル不可で既にツアー催行人数の上限まで予約済みのため丸損するよりはましということらしい。皆、老人ばかりだが、私が最年長かな。
 16:30に成田を出たエア・カナダ機は日付変更線を越えて同日の11:00にカルガリーに到着。ツアーリーダーの山田氏の出迎えを受ける。山田さんが運転する大型のワゴン車でホテルのあるキャンモアまで走る。ハイウェイを走るとチェックインまで時間をもてあますので、風景を楽しみながら旧国道を走る。
 キャンモアはバンフ国立公園の外側にあり、バンフのサブタウンといった町で小さいながらきれいである。町から見上げるとスリー・シスターズという岩峰が聳えており、この町のシンボルといった感じである。

     
ヤムナスカ山 (ロッキー入り口にある山)  スリーシスターズ  キャンモア市街
     
キャンモア市街  キャンモア市内の公園   ポプラの黄葉


 町中のホテルに投宿する。今夜と明日の夜、ここに滞在する。

9/17
 今日はバンフの北にあるモレーン・レイク湖畔から圏谷の壁を登り、Larch Valley(カラマツ谷)を散策するトレッキングである。往復9キロ、標高2000mから560mを上るというまあ軽いトレッキングだ。
 天候は曇りで時々雨混じり。広い立派な山道が急な山腹にジグザグに造られており、登りやすいが、まだ身体が登山モードになっていないためか意外に苦しい。なんだ、足弱の家内の方が軽快に登っている。圏谷の壁はモミとトウヒの樹林帯である。樹林の間からモレーン・レイクの美しい湖面が覗ける。人気のコースらしくトレッカーが多い。
 壁を登り切るとなだらかな広い谷となる。ラーチバレーだ。ラーチ(カラマツ)は黄葉の始まりだ。林の上にはモレーン・レイクを取り巻くテン・ピークスの峰々が雪をつけて聳えている。皆標高3000m以上だ。絶景だ。晴れていれば黄葉が映えるのだが。カナディアン・ロッキーの秋は黄色のみで赤はない。下の方ではアスペン(ポプラ)、標高が高いところではカラマツだ。日本のカラマツは植林だが、此方は自然林なので大小不同だ。それと褐色ではなくて黄色が強い感じだ。
 広くて、なだらかな道を黄葉の樹林と白く雪を付けた峰々の光景を楽しみながら、ノンビリと2km程歩くと小さな氷河湖のほとりに出る。ここで石に腰を下ろして昼食。山道はさらに続いてセンチネル・パスという峠まで続いていて、何人かのトレッカーは登っているのが見えるが、我々はここまで。リーダーの話では峠まで登ると反対側の渓谷が望めるとのこと。 時々、日射しがあり、黄葉が浮き上がるように映えるが、反対にミゾレが顔を打つときもある。
 下りについては、同じことだが樹林帯の間に見えたモレーン・レイクの湖面がはっとするほど美しかった。湖は見下ろすと綺麗にみえる。
 駐車場まで戻り、すぐ傍のモレーンに上の展望台に上る。四十年前に見た記憶より青みが強いような。

     
 登山口の湖畔から見るテンピークスの峰々 樹林帯から覗くモレーンレイク  樹林帯の中の登山道 
     
 カラマツの林に入る   カラマツ林とテンピークス 
     
カラマツ林とテンピークス    カラマツの黄葉 カラマツ 
     
 ピナクル山  ミネスティマ湖から振り返る ミネスティマ湖とセンティネル峠
     
 テンプル山 峠への道が見える  テンピークスの一部 テンピークス左端のフェイ山 
     
 シマリス  黄葉 黄葉 
     
黄葉  モレーンレイク  モレーン上の展望台より 


 キャンモアまで帰り、夕食はテンダーロインステーキ。ここアルバータ州は牛肉が名物のようだ。柔らかくて美味。ワインはお隣のブリティッシュコロンビア産でこれも旨い。