江北・若狭ハイキング
2022 04〜05
1) 山門水源の森
琵琶湖の北端に北から流れ込む大浦川という小さな川がある。その源流にある山門湿原とその周辺の里山が「山門水源の森」として保護されている。小さな地域で一周する遊覧コースでも2,3時間程度で年寄り向きだ。
4月下旬、友人とここを訪れた。平日とあって、ハイカーは我々だけだった。入り口から小さな源流に沿って上流へと辿る。水辺にはキタヤマオウレンが咲くそうだが、もう花期は終わっているようだ。路傍に見られる花はイカリソウのみだ。少し歩くと湿原の端に出るが、残念ながら中へは入れない。湿原沿いに歩いていると、湿原の中に入る場所がある。ミツガシワが花盛りである。サギソウ、トキソウ、ササユリなども咲くようだが、今は見当たらない。
湿原が終わると、尾根伝いに200mほど上って、標高500mのピークに辿り着く。この辺りはブナの林である。80歳前後の二人であるから、この上りで音を上げた。トレーニング不足だ。ピークで昼飯を食べて大休止。
下りは周回コースだから別の道だ。ここには最盛期は過ぎているようだが点々とツバキが咲いている。ユキバタツバキといって、北国のユキツバキと南のヤブツバキの混合種ということだ。この辺りにはイワウチワ(トクワカソウ)が咲いているとのことだが見つけられなかった。すこし、イワカガミは見られたのだが。
下山後、敦賀へ出て魚市場で今夜の夕食、さらにマキノ町の道の駅「追坂峠」(ここは春にはいろいろな山菜を売っている)で山菜などを仕入れて、マキノ高原で車中泊。車をシエンタに乗り換えてからは、テントを張らずに寝ることが多くなった。翌日は寒風山から赤坂山へ上ったのだが、二人ともヘロヘロになって、ろくに写真も撮れなかったので、省略する。
イカリソウ | 湿原 |
ミツガシワ | 山頂近くのブナ林 |
ユキバタツバキ | イワカガミ |
2) 若狭青葉山展望台ソロキャンプ
昨年、青葉山に登った時、東側への下りで見た高浜湾の展望が素晴らしかったのと、湾に数多くの赤潮の塊が浮かんでいたのが印象に残った。後で調べるとあの赤潮は夜光虫らしい。だったら、夜に中腹の展望台から眺めると夜光虫が光るのが見えるかも。
5月中旬、テント(ヘネシーハンモック)、カメラの三脚を担いで青葉山中腹展望台まで登ることにした。青葉山東側の中山登山口に向かう。登山口の下の中山寺を参拝。登山口から展望台までは300mほどの上りで、一時間ぐらいで到達する。上り始めには時節の花々が咲いているが、特に珍しいというほどのものはない。やがて、杉の植林の中に入りしばらくすると、ぽっかりと開けた展望台に出る。
中山寺本堂 | 高浜湾を望む |
アザミ | シャガ |
コナスビ | サギゴケ |
杉の植林 | 展望台 |
ここからは高浜湾が一望だ。ところが、昨年見えた赤潮が今年は見当たらない。たとえ赤潮があったとしても、遠方から光るのが見えるかどうか確信はなかったのであるが、これでは絶望だな。
とりあえず、展望台の下の柱にテントを吊り、上に三脚をセットして、のんびりと晩飯で一杯やりながら暗くなるのを待つ。小生は山派だから、ソロキャンプといっても至って簡便で、たき火や料理などという面倒なことはやらない。精々が乾燥食品を溶かすための湯をバーナーで沸かすぐらいだ。今回はすぐ下のスーパーで握り飯や惣菜を買ってきたのでお茶を沸かすだけ。
暗くなってきたが、やはり夜光虫の光はない。夜光虫は船のスクリューや、波で揺すぶられないと光らないようなので望み薄とは思ってはいたのだが、せめて波打ち際が光らないかなと一縷の希望をしていたのだが。しかし、高浜の街の夜景はそれなりに素晴らしかったので、まあ満足しよう。
高浜湾展望 | 高浜湾夜景 |
昨年、高浜湾に見えた赤潮 |
3) 高島トレイル 三国岳
青葉山ソロキャンプの翌日は、音海半島、高浜城山、小浜フィッシャーマンズワーフ、瓜割の滝などに立ち寄りながら、近江へ抜け朽木村に移動する。朽木市街で夕食を買って、生杉集落奥の広場に移動して車中泊。ここは高島トレイル・ナベクボ峠への登山口である。
高島トレイルは2017年5月に愛発(あらち)越えから水坂峠までの前半部、11月に水坂峠から後半部を歩ききる予定であったが、悪天候で三国峠で中断した。翌年4月に残りの部分を片付けようとナベクボ峠から三国峠を越えて地蔵峠まで行ったが、体調不良でダウンした。それで、今回はリベンジで地蔵峠から三国岳を越えて終点の桑原集落までの予定である。
早朝、車を走らせて、下山地点の桑原に自転車をデポする。地蔵峠登山口のチェーンの掛けられた林道ゲートまで引き返す。ここから先地蔵峠を越えて京大演習林の中まで林道は続いているのだが、ここから先は通行止めだ。三十年ぐらい前、芦生から演習林の中を通ってこちらまで自転車で越えたことがある。当時でも通行止だったが、芦生の宿泊所で「一応通行止だがみんな通っているよ」と言われてそれではと通らせて貰ったことがあるが、今ではさすがに無理だろうな。
6時半、出発する。地蔵峠まで地道の林道歩き、2kmだが40分かかる。やはりのろくなっている。
広場の朝 | 桑原集落への道 |
桑原集落への道 | 大宮神社 |
地蔵峠までの林道 | 地蔵峠 |
地蔵峠から、高島トレイルにはいる。踏み跡程度の道だが、尾根伝いで迷う心配はない。しかし、まあ、鬱蒼として静寂の気に満ちているが、見晴らしは効かないし、花はないし、殺風景といえば、殺風景。踏み跡の真ん中に大きな糞がある。熊のものだろう。
10時、岩谷峠。大分、亀足だ。早足のトレイルランナーならもう下りているかもしれない。まあ、そういう歳なんだから、仕方がないか。若い人と一緒には歩けないな。
11:30 やっと三国岳に辿り着いた。ここで大休止だ。少し見晴らしも効くが、あまり山の同定はできない。
トロトロと歩いていく。もう書くこともない。尾根から桑原へ下る峠に着く。さらに尾根を辿ると経ヶ岳だが、またここまで引き換えさねばならないので止めておこう。ダラダラと尾根すじを下って桑原橋に1時半到着。合計7時間だ。歩行距離14km。ガイドマップのコースタイム6時間。山仲間の記録では3時間半だ。寄る年波を感じさせる山行でした。
デポしておいた電動クロスバイクで軽々と出発点まで戻る。
このコースを歩くのはやはり秋の紅葉の季節が最適のようだ。キノコも期待できるし。春は花が少ない。
ブナのひこばえ | |
岩谷峠 | |
三国岳 | |
何処が見えていたのだったかな? | |
やっと見つけたイワカガミ | 杉の巨木 |
終点の桑原橋 |