吾妻連峰
2023 07
昨年来、コロナワクチン副作用、流行性感冒、コロナ感染症(多分)などに立て続けに掛かり、半年以上寝たり起きたりで、全く運動できていなかった。その上、この七月で満80歳となる。このままではもう山登りなどは出来ないのではと心配になった。それで、70歳代最後の登山として、百名山で、まだ行っていない山で、楽に登れるところということで吾妻連峰を選んだ。ここならばリフトを使えばほとんど上りがなくて稜線に至ることが出来る。あとはなだらかな稜線を辿るだけだ。
7/02 新幹線を乗り継いで、山形県米沢まで。ここからバスで白布温泉下車。今夜の宿は奥白布の吾妻屋である。迎えの車で10分ほど山の中へと登って行く。えらい急勾配の坂だ。「日本秘湯の湯」で鄙びた宿である。夕食までたっぷり時間があるので、いくつかある露天風呂でのんびりする。いい湯だ。夕食は山菜とお決まりのイワナの塩焼きなど。値段相応か。酒は米沢の「東光」、旨い。
宿の傍の滝 | 露天風呂 |
露天風呂 | 部屋から見る日没 |
7/03 宿の傍からリフト乗り場の天元台まで山道を登る。標高差200mでコースタイムは30分ぐらいだが、小一時間かかる。これでは先が思いやられるな。
リフトを3本乗り継いで標高1800mまで上る。あと100mほどで稜線だ。中大巓分岐に出る。山稜は広々として高原状である。今日は霧が出ていてあまり展望はよくない。展望がよければ、西大巓まで行って、西吾妻小屋で一泊してのんびりする予定であったが、時間の無駄であろう。ここに荷物を置いて西吾妻山まで往復することにする。
大凹湿原の木道を進む。花はほとんど白っぽい花で華やかさに欠ける。湿原を過ぎると梵天岩、天狗岩のある丘まで少し登ると、正面に西吾妻山が優美な姿を見せる。この山が吾妻連峰の最高峰であり、百名山に入れられている。しかし、この山自体は百名山の一つとして挙げるにはちょっと貧弱か。山頂は全く展望がきかない。吾妻連峰全体を百名山に入れるわけにもいかないので、その代表として入れられた感じかな?
帰りの途中、大凹の水場で今夜用の水を汲み、中大巓分岐に戻る。
吾妻屋 | 天元台リフト乗り場 |
リフトに乗って | ユキザサ? |
チングルマ | 大凹池塘 |
池塘の木道 | ミツガシワ |
梵天岩 | 吾妻神社 |
西吾妻山 | 山頂 |
大凹の水場 | 大凹池塘全景 |
もう、2時半だ。今日の予定は東大巓近くの弥兵衛平の避難小屋「名月荘」。コースタイムでは2時間だ。年寄りの足でトロトロ歩いて、3時間かな? 日は長いし、のんびり歩こう。
中大巓、広々として何処がピークか判らない。人形石、晴れてきて展望はいいが山は漠然としていて、ピークが同定できない。なだらかな高原をのんびりと歩く。湿原は全て木道が敷かれているが、斜面になると石のゴロゴロした道となり、片眼にとってはなかなかつらい歩きとなる。花は白っぽい花ばかりで、寂しいお花畑である。 東大巓の手前から、弥兵衛平へ向かう道に入る。30分ほど歩くと、林の中に避難小屋「名月荘」が見える。2階建ての立派な小屋だ。ヤレヤレ、2時間のコースタイムのところを3時間半もかかっている。誰もいないと思っていたら、同宿に若い女性が一人で泊まっていた。
中大巓 | 人形石 |
東大巓遠望 | 東大巓への道 |
ワタスゲ | ヨウラクツツジ |
湿原 | コバイケイソウ |
名月荘への道 | 名月荘 |
7/04 今日も快晴である。朝飯前に一時間ほど弥兵衛平湿原を散策する。朝の寒さで蝶も動けないでいる。遠方には飯豊、朝日連峰も眺められる。東大巓に山蔭には少し雪渓が残っている。帰ってきて、朝飯。例によって、α米とフリーズドライ食品だ。ここの水場は10分ほど谷を下ったところらしいので、昨日の水を節約して、1L程残す。これで今日の夕方まで持たそう。
ワタスゲの咲く木道 | 湿原の朝 |
水中の草 | 朝のチョウ |
アカモノ? | ツマトリソウ |
マイヅルソウ | 飯豊連峰遠望 |
7時出発。目的地の高湯温泉までのコースタイムは8時間ほどだが、昨日の感じだと今日中に到着は無理だろう。途中の慶応大避難小屋か家形山避難小屋に一泊しよう。
東大巓を過ぎて、昭元山、烏帽子山と小さなピークを越えて行くが、道が悪くなってきて歩きにくい。途中で出会ったこの日会ったただ一人の登山者に小屋の情報を尋ねる。慶応小屋の方は番人がいて予約していないと宿泊できないかもしれない可能性がある。家形山小屋の方は小さいが快適だと薦めてくれた。
家形山、2時。眼下に五色沼が美しい。湖畔まで下って大休止。水際まで下る道はないようだ。一切経山をに登って山の向こう側を見てみたかったが、なんだか元気がない。早々に小屋に入ってのんびりしよう。五色沼から急坂を下り、硯石の標識から脇道に入り1kmほど歩いて5時前に家形山避難小屋に入る。
この小屋で経験した奇妙な出来事については「草原の独り言」に書いた。
シャクナゲ | シャクナゲ |
ギンリョウソウ | ゴゼンタチバナ |
五色沼と一切経山 | |
7/05 6時半、出発。坦々とした下り坂を高湯まで歩いて今回の山行を終了しました。8km歩くのに4時間も掛かってしまいました。途中ヤエハクサンシャクナゲ群生地では丁度満開のシャクナゲが目を楽しませてくれました。高湯では共同浴場「あったか湯」で旅の汚れを落とし、どこかで昼飯をと思ったが、ここは数軒の旅館があるのみでほかには何もなし。次のバスは2時過ぎとのことで、やむなくタクシーを奮発して福島駅まで帰りました。これでジパングで節約したJR運賃が吹っ飛びました。