板取川界隈
2023.08
板取川は長良川の長大な支流であり、夏場は鮎が躍る清流である。今年の夏はこの川の鮎を味わいたいと出かけた。
08/28 朝、9時自宅を出発したが、名神高速道路がリニューアル工事のため大渋滞。今回お目当ての鮎茶屋「おもだか」に着いたのは午後2時。閉店直前だった。この店は板取川の上流にあり、裏は清流が流れている。
鮎は唐揚げ一尾、塩焼き四尾、雑炊を注文する。残念ながら大鮎は品切れ。フライとか、魚田などは興味がない。この時期になると、鮎も成熟して骨が硬くなっているが、さすが天然鮎で旨い。車なのでノンアルコールビールしか飲めないのが心残りだ。
板取川 | 鮎茶屋 |
からあげ | 塩焼き |
さて、今夜は少し下流の「21世紀の森公園」で車中泊する予定だが、渋滞の影響で途中のスーパーで食料を調達することが出来なかった。近くの集落の食料品店を何軒か廻って、缶詰、干物、インスタントラーメン、酒をゲットしてちょっと貧弱な夕食となった。夕立だ。
板取川の清流 | 21世紀の森公園 |
08/29 今日はこの公園の目玉である株杉の森を通って、蕪山(1069m)に登る。駐車場から少し登って行くと鬱蒼とした杉林に入って行く。しばらく登って行くと巨大な杉の株が現れる。この辺りでは株杉と呼ばれているらしい。なかなか壮観である
これは、現在でも京都北山で行われている杉の台作りの名残らしい。杉の根元を残しその上に何本もの枝を育てて丸太を作る方法だ。京都北山の奥には伏条台杉といってここの株杉より巨大な杉が残っている。また、鳥海山麓には「あがりこ」といってブナの株から何代にもわたって枝を育て、炭焼きの材としていたし、大阪能勢の山中ではクヌギの台造り(台場クヌギ)で炭焼きをやっていたあとが見られる。
杉林を過ぎると渓谷を渡り、巨岩の下を越えて尾根に出る。
朝の公園 | 杉林の中の渓流 |
小祠 | 株杉 1 |
株杉 2 | 株杉 3 |
渓谷 | 巨岩 |
伏条台杉(京都北山) | あがりこ大王(ブナの台作り:鳥海山麓) |
尾根に出たところで標高700m。つい先月、八十歳の大台に乗った。歩みはノロノロ、案内図のコースタイムの半分程度の速度だが、時間はたっぷりあるし天気は良好だ。幸い道もはっきりしていて、危険なところもない。
綺麗な赤いキノコが群生している。タマゴタケだ。美味しいキノコのようだが、今回は採らずに撮るだけにしておこう。すぐ傍に色違いの似たようなキノコがある。帰って調べてみるとタマゴタケモドキかも? これは死に至る猛毒キノコらしい。妖しいキノコの世界だ。進んで行くといろいろなキノコが見つかる。イグチ類は大概食べれるらしい。
尾根筋の道 | タマゴタケ 1 |
タマゴタケ 2 | タマゴタケモドキ? |
名称不明 | イグチ |
灌木の中の道を登って行くと、ススキの茂る山頂に出る。展望は素晴らしいが、たいした山は見えない。南方に高賀山、北には平家岳、滝波山など岐阜、福井県境の山並み。若いとき、一人で残雪期にあの県境を辿ったことを思い出す。
自撮りの山頂に登った写真を撮る。これを板取川温泉で見せると入浴料金が割引となる。早めの昼飯を食べて、一時間ほどのんびりして下る。尾根を下ったところから、自然観察道に入って下って行く。上りの株杉の道と別れてすぐのところに、岩間からこんこんと流れでている清水があった。充分に吞んで、空いたペットボトルをいっぱいにして家への土産にする。
あとは特に書くほどのこともないダラダラ道をトロトロと下って出発点に戻った。
山頂よりの眺め 高賀山 | |
少し上流にある板取川温泉で汗を流す。この少し上流にある神明温泉には亡友魁猿が余命一年ほどと判った時、最後の旅にと一緒に一泊したことがある。
さて、今夜の予定は郡上八幡で車中泊をして、居酒屋で鮎と飛騨牛で一杯やる予定だがまだ日が高い。近くの美渓として知られている川浦谷(かおれだに)に寄ってゆこう。道路から見下ろす渓谷は100mほど下に狭い岩の割ったゴルジェをコバルト色の激流が流れ下っている。残念ながら流れの傍に近寄ることは出来ない。
川浦谷渓谷 1 | 川浦谷渓谷 2 |
川浦谷渓谷 3 | 川浦谷渓谷 4 |
さて、郡上八幡へ向かおう。少し下流に下って、タラガトンネルを抜けて長良川本流に出ると、郡上八幡は近い。2007年に開通したR256上のタラガトンネルは4571mで無料のトンネルとしては四国の寒風山トンネルに次ぐ長さらしい。このトンネルが出来るまでの峠越えの道は冬は通行止めの悪路で郡上八幡へ出るのは長良川本流の合流点まで遠回りをしなければならなかった。
郡上八幡へ出てみると、お目当ての店は休業日、今日火曜日はめぼしい店は全て休みらしく、町はひっそりとしている。これでは車中泊する意味はない。帰ろう。今から帰ると、名神高速はもう通行止めの時間帯に入る。新名神経由で帰り、家に着いたのは真夜中だった。
板取川流域には、近年「モネの池」とか名付けられた、綺麗な水を湛えた小さな池があり、観光バスが訪れる程の人気の場所となっている。今回は訪ねる機会がなかったが、何回か行ったのでここにそのときの写真をアップしておこう。また、近くの高賀神社も円空記念館があり訪ねるのによい場所だ。
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