大峰山系・弥山には6月下旬から7月初めにかけて天然記念物のオオヤマレンゲの花が満開となります。近年、鹿の食害によって絶滅の危機にさらされていましたが、ネットで囲いをするなど保護の努力が実を結び、徐々に回復しつつあります。しかし、ネットの外側は有毒のため鹿が食べない梅渓草が恐ろしいほどにはびこり、山全体の植生が単調になった感じがします。梅渓草もそれなりに美しい花を付けるのではありますが。
オオヤマレンゲはホオノキと同じ属の樹木ですが、高々数メートルの落葉低木です。花の中央の雌しべを濃いピンク色の雄しべが取り囲んでいます。この姿を仏に見立てて蓮華の名が付けられたのでしょう。丁度世界遺産に登録されたこの修験道の聖地にふさわしい霊花と云えるでしょう。 |