カナディアンロッキー アッシニボイン州立公園
その2 アッシニボイン・ロッジ滞在
(Sept. 2019)
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9/18
今日からアッシニボイン・ロッジへ移動し、4日滞在して周辺をハイキングする。
キャンモアから西の谷の未舗装道路を30km程走って、ヘリポートに着く。この間の道も高い岩峰に囲まれたスプレー湖畔を走る気持ちのよいドライブだ。ヘリポートには既に大勢の乗客が集まっている。2機のへりで百名ほどの客を運ぶ。こちらから客を運んだ帰りの便で続々と客が下りてきた。同じツアー会社の客も下りてきた。滞在中、天候はあまりよくなかったようだ。しかし、皆楽しかったと興奮している。今日から我々の滞在する期間は天候はよさそうだ。これは期待出来るぞ。
やがて我々の番がやって来た。ヘリコプターに乗るのは初めてだ。僅か10分少々の飛行だが、景色は十分楽しめた。ロッジは本館と周辺の小屋からなり、本館には食堂、休憩室、客室(5部屋10名)からなり、我々は幸い本館の客室に入れた。
ヘリポートまでの道(拡大図) | ヘリポートまでの道(拡大図) | ヘリポート |
へりからの眺め (拡大図) | へりからの眺め (拡大図) | へりからの眺め (拡大図) |
へりからの眺め(拡大図) | アッシニボイン・ロッジ(拡大図) | アッシニボイン・ロッジ |
小屋の前のベランダからは正面にメイゴック湖とその奧にアッシニボイン山(3618m)が雪を被って聳えているのが眺められる。素晴らしいロケ−ションだ。
まだ、昼前なので一同散歩に出る。メイゴック湖畔のキャンプ場からサンバースト湖、セルリアン湖を往復する。ここは4日目にもう一度訪れることになるが、湖の深い青色と湖面に映るカラマツの黄葉がまことに美しい。花の季節は終わっていて、僅かに名残の花が残っているばかりだ。至るところに大きなキノコが生えているが、リーダー(カルガリー在住)の話ではカナダ人はキノコどころか山菜も採らないとのこと。
4時前にロッジに帰ると、休憩室でティータイム。スウィーツ、チーズなどが出て至れり尽くせりだ。今夜の夕食は前菜、魚のグリルとサラダなど。山小屋とは思えない豪華なものだ。
アッシニボイン山(拡大図) | ロッジが点在する(拡大図) | サンバースト湖(拡大図) |
セルリアン湖(拡大図) | セルリアン湖 (拡大図) | ロッジへ帰る(拡大図) |
アズマギクか? | アネモネ(チングルマの親分みたい) | 巨大なキノコ |
ヤナギランの紅葉? | 食堂 | オーナー夫妻 |
9/19
早朝、外に出ると月明かりの中アッシニボイン山がくっきりと見える。今日は快晴だぞ。段々明るくなってくると、メイゴック湖は霧に覆われ、その上に山々が陽を受けて輝いてきた。8時より朝食。これもなかなか美味しい。朝食後、テーブルに並べられた食材で手早く昼食用のサンドイッチを作る。
9時出発。今日は東へ向かいワンダー・パスを越えて展望地点までの往復だ。片道約5km、標高差は300m程の軽いハイキングだ。黄葉したカラマツ林の高原をノンビリと歩いて上る。右手に見えるピークはザ・タワーズだ。左にワンダーピークがあり、ワンダーパスはこの二つの間にある峠だ。振り返るとカラマツ林の高原と彼方のナブ・ピーク、ネスター・ピークが望める。
峠を越えずっと下ってゆくと昨日出発したヘリポートへと続いている。ロッジから下りで一日コースかな。我々は左手の岡の上のワンダーパス展望台に向かう。
見晴らしは絶好だ。眼下にマーブル湖、正面にアッシニボインの東面が眺められる。花の季節にはこの辺りには黄色いカタクリの花が咲き乱れるらしい。ここで昼食。
帰りは道から外れて、草原やカラマツ林の中を自由に歩く。オフ・トレイルウォークといって各自バラバラに歩いて踏み跡がつかないようにするのだ。名残の花々を探しながら歩く。
月明(拡大図) | アッシニボイン(拡大図) | 霧のアッシニボイン (拡大図) |
アッシニボイン全景 | ||
朝食 | ||
ザ・タワーズ (拡大図) | アネモネの種子(ヒッピーヘアと云うらしい)(拡大図) | |
(拡大図) | (拡大図) | (拡大図) |
振り返った光景、中央にナブ・ピーク(拡大図) | (拡大図) | 峠から見るワンダー・ピーク(拡大図) |
峠の向こう側(拡大図) | マーブル湖(拡大図) | アッシニボイン東面 (拡大図) |
オフ・トレイルウォーク(拡大図) | (拡大図) | (拡大図) |
ピンクのインディアン・ペイントブラシ(拡大図) | 白色のインディアン・ペイントブラシ(拡大図) | ワスレナグサ(拡大図) |
? | ? | ミュールジカの親子 (拡大図) |
ロッジまで帰り着いた。まだ、四時前だ。正面に眺めるアッシニボインはいつ見ても惚れ惚れする。前のメイゴック湖は結構流れ込む水量は多そうだが、流れ出しがない。
今夜の夕食、メインディッシュはポークだ。ワインは昨日半分残しておいたブリティッシュコロンビア産の白だ。なかなか美味しい。
9/20
今日はナブレット、ナブピーク東側の高原を散策する。
ほとんど踏み跡もない草地の上を歩く。オフ・トレイルウォークだ。ただただ、大自然の中に身をゆだねるのみである。この一帯はグリズリー(ヒグマ)の生息地域だ。従って、トレッカーのグループに少なくとも一つは熊除けスプレーを携帯しなければならない。所々にクマの足跡や、食料に草の根を掘り出した跡がある。秋も深くなり、草も枯れだした今頃は草の根が最も栄養価の高い食料なのだろう。
ここはナブピークの中腹の平原で、一段下にオグ・メドウという草原が眺められその向こうにアッシニボイン・パスがある。ヘリコプターの飛行コースだ。
見渡す限り、岩峰の灰色、針葉樹の濃い緑、カラマツと枯れ草の黄色の三色のみだ。雄大と言うべきか、荒涼と言うべきか、素晴らしい大自然というか、殺風景というか、言葉を失う光景だ。
午後、リーダーは一段下のオグ・メドウに下ろうとしたが、この老人集団では滑落のリスクが高いと判断したのか、もとの道を引き返すことにした。
夕食はチキンのロースト。赤ワインを取る。
オグ・メドウとアッシニボイン・パス (拡大図) | (拡大図) | |
(拡大図) | オフ・トレイルウォーク(拡大図) | ヒグマの掘り跡 |
左の雲の中はナブピーク(拡大図) | (拡大図) | (拡大図) |
オグ・メドウとアッシニボイン・パス (拡大図) | (拡大図) | (拡大図) |
(拡大図) | 名残のヤナギラン(拡大図) | ヤナギの綿(拡大図) |
9/21
今日はこの旅で最高の快晴の予報で、ニブレットの丘に登って展望を楽しむ予定である。
まず、日の出前に起きだして近くの池に映る逆さアッシニボインを見に出かける。池の周りにはカメラマンがギッシリとたむろしている。東洋人が多い。中国人かな?ロッジの宿泊客にはいないので、キャンプしているのだろう。
7時前、東の空があかね色に染まると、アシニボイン頂上にモルゲンロートが現れる。池の水面にもくっきりと表れる。3年前の秋、リッフェルゼーに映るモルゲンロートに染まるマッターホーンを思い出す。
朝食後、ナブレットの丘へ出発する。標高差は約300m。樹林帯の中の緩やかな道を登ってゆく。振り返るとロッジが森の中にポツンと眺められる。なだらかな稜線を進むとニブレットという小さな平坦地に出る。眼下にセルレアン湖が文字通りセルレアンブルーの水を湛えている。
ニブレットからガレ場を登るとナブレットの丘に到達する。素晴らしい展望だ。ここからさらにガレ場の道を2時間ほど登るとナブピークに登れるのだが、これも老人集団ではリスクが高いと、今回はここまで。展望はここと大した差はないとのことだ。眺めは筆舌には尽くしがたく、写真の通り。
西側の崖下を覗くと僅かに小さなエリザベス湖が見える。東側には昨日歩いた高原とその下のオグ・メドウ、さらに奧のアッシニボイン・パスが望める。望遠鏡でグリズリーの歩いているのでも見えないかと、眼を皿にするも見つけることは出来なかった。
ニブレットまでちょっと恐いガレ場を下り、脇道をエリザベス湖へと下る。今まで美しい湖を見た後では特に言ったこともないどう言ったこともない湖だ。後は初日に見たセルレアン湖、サンバースト湖を通ってロッジに帰る。
ロッジに帰った後、ワンダーパスへ行ったとき途中で見かけた鮮やかな赤のインディアン・ペイントブラシの写真を撮りに出かける。今回一番綺麗な花だ。インディアン・ペイントブラシはいろいろな色の花を付け、まさにインディアンが使う絵筆を思わせるカナディアンロッキーの名花だ。
最後の夜のメインディッシュは勿論アルバータ牛のグリルだ。美味しい。
ロッジ遠望 (拡大図) | セルリアン湖(拡大図) | ナブレットよりメイゴック湖とワンダーパス方面遠望 (拡大図) |
ニブレットから上を望む(右の丘がナブレット、その奧がナブピーク) | ||
ナブレットよりナブピーク (拡大図) | 崖下のエリザベス湖(拡大図) | アッシニボイン (拡大図) |
アッシニボイン山群と湖沼群(左からメイゴック、サンバースト、セルリアン湖) 正面はサンバーストピーク、右はザ・マーシャルかな? | ||
昨日歩いた高原とその下のオグ・メドウ、右の弓状に下がったところがアッシニボイン・パス | エリザベス湖(拡大図) | |
今回見つけた最も鮮やかなインディアン・ペイントブラシ(拡大図) | (拡大図) | ビーフのロースト |
9/22
今日で楽しかったマウント・アッシニボイン州立公園の旅も終わった。今日からは天気も崩れるらしい。
最後にへり搭乗までの時間にメイゴック湖畔を散歩する。本当にゆったりとした夢のような4日間であった。今までの山行といえば一寸の間も惜しむようなせわしない活動であったが、今回はノンビリとした少し物足りないアクティビティであった。これからは年相応に歩こう。
ヘリに乗って、空中から最終のマウント・アッシニボイン公園の眺めを楽しむ。
この日はヘリポートからキャンモア、バンフと移動し、半日バンフの町を散策し、40年前の家族旅行の思い出を新たにしたのだったが、この辺りは省略しよう。