蒼き月

ゆく秋のこずゑを照らす蒼き月いづれの方にか愁ひの行かむ

たまさかはデヂャヴのこともありにけり誰かに似たる人会ひたれば

秋虫のすだく今宵はひと恋ひてこころうつろに闇をさまよふ

雑踏の街角にふとたたずみて還らぬ日日を憶ひいづるなり

想ふなれば夢にいづるといひにける夢に見しひとなどかなつかし

奥駈けの峰のもみぢ葉ふみわけてゆきにしひとの姿しらずも

夜半の風古びし小舎のわびしきにぬばたまの夜をいねもやらずに

西餓鬼の峰の駒草風にゆるゆるればきみを想ふなりけり

春なれば春の愁ひをいかにせむ酒も今宵の愁ひなりけり

 

 

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