白き峰々
薄日さす雪野はるけし夕立てば立山剣くれないに染む
東風吹きて里の雪消ゆ春なれど白き剣の雄々しくそびゆ
また見んと登りてさがすチングルマ雪にうたれて紅き葉くたる
チングルマくれないの葉にみぞれ降る室堂の谷霧の湧き出ず
ぬばたまの夜はふけゆきてあしびきの白き峰々月明らけく
初春の北国雲のつらなりて白き月と峰のみ見ゆる 飛行機より
ゆきつりの天に向かいて連なりぬ垣の彼方に白き峰々
たそがれて氷見の海より立山の白き峰みゆ神さびにけり
くれゆけば立山の峰うすれゆき有磯の海に漁火の燃ゆ
霞たつ春の砺波野ひた走るはるかに淡き雪の連山
八峰の峰の高きに鳥の飛ぶその鳥追いて人の登れる
越の国国のまもりの剣岳その頂きに亡き人を思う
荒岩の剣の谷にみまかれるますらおしのび花供えけり
我が恋うる越の山々ふりかえりわかれがたきにしばしたたずむ
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