まほろば

東大寺講堂跡のせせらぎのなごりのほたる光かそけし

夕暮れて家路いそげば山里のしろき槿にほたるとまれる

三輪山の磐座さして登りゆく木木のこずゑも神さびにけり

味酒の三輪の磐座かむさびぬ言葉少なくあゆみてゆかむ

三輪山のふもとのもみぢあかあかとふりさけみれば三山の見ゆ

巻向川穴師の里をたどりゆく谷のむかごもたわわみのれる

曽爾の里屏風の岩の山桜ひとり登りてながめいたるか

太郎路の春は深めり山つつぢ鎧の壁に淡くうかべる

野々宮の苔やはらかに冬日照りおそき紅葉の葉のふりかかる

常寂光てらのもみぢ葉ふみしめて女坂ゆく媼のひとり

いづこにてもカメラ通して物をみる人あまたなり嵯峨野にも秋

心さえ紅く染まりし道ならばいまひとたびをたどる想ひて

浮御堂水面にうつるかむばせに涙おとせし人のゐしかも

ひなざかる里にはあれど春されば木蓮の花華やかに咲く

藤牡丹咲ける寺の甍には春のをはりの雨のしのつく

 

 

 

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